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PCTの優先権の主張(その2)(18.4.25)

2006-04-25 15:26:50 | Weblog
PCTの優先権の主張(その2)(18.4.25)

・PCT規則4.1
・規則4.1(b)()
 願書には、優先権の主張を記載します。
・規則4.1(c)()
 願書には、優先権の主張の基礎となる出願が受理官庁にされている場合には、優先権書類の作成及び国際事務局への送付についての受理官庁に対する請求を記載することができます。

・PCT規則4.10
・規則4.10(a)
 国際出願における優先権の主張は、パリ条約の同盟国又はWTO加盟国にされた先の出願に基づいてすることができます。すなわち、WTO加盟国にされた出願も基礎とすることができます。これはパリ条約よりも適用範囲が広くなっています。
 優先権の主張は、願書においてすることが原則ですが、規則26の2.1の規定が適用される場合には、優先日から16月の期間内に、優先権の主張の補充又は追加をすることができます。
 願書に記載する事項は、(1)先の出願に基づく優先権を主張する旨の陳述、(2)先の出願の日付、(3)先の出願の番号、(4)先の出願が国内出願である場合にはその出願国名、(5)先の出願が国際出願である場合にはその受理官庁です。

・PCT規則17
・規則17.1(a)
 先の出願の認証謄本(優先権書類)は、原則として、優先日から16月以内に出願人が国際事務局又は受理官庁に提出します。先の出願が国際出願の場合も同様です。ただし、出願人が自ら送付しなくても、送付請求(規則17.1(b))、又は電子図書館からの入手請求(規則17.1(bの2))ができます。
 なお、優先日から16月を経過した後に先の出願の写しが国際事務局に到達した場合であっても、国際公開の日前であるときは、優先日から16月の末日に国際事務局が受理したものとみなされます。

・規則17.1(b)
 優先権書類が受理官庁により発行される場合には、出願人は、受理官庁に対し、優先権書類を、作成し及び国際事務局に送付するよう請求することができます。
 ただし、この送付請求は、優先日から16月以内にしなければなりません。また、受理官庁は手数料の支払いを条件とすることができます。

・規則17.1(bの2)
 受理官庁又は国際事務局が優先権書類を電子図書館から入手可能な場合には、出願人は、(1)受理官庁に対し、優先権書類を電子図書館から入手し、国際事務局に送付するよう請求することができ、又は(2)国際事務局に対し、優先権書類を電子図書館から入手するように請求することもできます。
 この請求は、優先日から16月以内にしなければなりません。また、受理官庁又は国際事務局は、手数料の支払いを条件とすることができます。

・規則17.1(c)
 出願人が優先権書類を提出しなかった場合(規則17.1(a))、出願人が優先権書類の送付請求をしなかった場合(規則17.1(b))、出願人が電子図書館により入手することを請求しなかった場合には(規則17.1(bの2)、指定官庁は、原則として、優先権の主張を無視することができます。
 ただし、指定官庁は、出願人に優先権書類の提出の機会を付与した後でなければ、優先権の主張を無視することはできません。

・規則17.1(d)
 指定官庁は、(1)先の出願が自国にされている場合、又は(2)当該指定官庁が優先権書類を電子図書館から入手可能である場合には、優先権の主張を無視することはできません。