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2019年5月31日 弁理士試験 代々木塾 特156条2項の趣旨

2019-05-31 13:33:59 | Weblog
2019年5月31日 弁理士試験 代々木塾 特156条2項の趣旨

【問題】特156条2項
 特許法第156条第2項において「審判長は、特許無効審判においては、事件が審決をするのに熟した場合であつて第百六十四条の二第一項の審決の予告をしないとき、又は同項の審決の予告をした場合であつて同条第二項の規定により指定した期間内に被請求人が第百三十四条の二第一項の訂正の請求若しくは第十七条の五第二項の補正をしないときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。」と規定することとした趣旨について、説明せよ。

【解答】
 平成23年改正前は、事件が審決をするのに熟したときには、審理の終結が通知され、審決がされると規定されていた(改正前156条)。
 しかし、平成23年改正において、特許無効審判(123条)では事件が審決をするのに熟したときに審決の予告がされる場合があることとなったため(164条の2)、156条(審理の終結の通知)の規定を改める必要が生じた。
 そこで、事件が審決をするのに熟したときに従前どおり審理の終結が通知される審判(特許無効審判以外の審判)については156条1項に規定し、特許無効審判(123条)については156条2項に規定することとした。
 特許無効審判(123条)においては、事件が審決をするのに熟したときには、審決の予告(164条の2)又は審理の終結の通知(156条2項)のいずれかがなされる。審決の予告をするときについては、164条の2第1項及び特許法施行規則に詳細に規定したので、審決の予告をしないときに審理の終結を通知することを規定した。事件が審決をするのに熟したときに審決の予告をしたが、それに対して被請求人が訂正又は補正を行わなければ、さらに審理を行う必要はないため、この場合にも審理の終結を通知することを規定した。