訂正審判Q&A(特許庁HP)(その3)
Q13:訂正審判において訂正が認められた場合、第三者が、その訂正が認められたことに対して不服があれば、無効審判で争えば良いのでしょうか。
A13:不適法な訂正がなされた場合は、特許法第123条第1項第8号に該当するため、それを無効理由として無効審判を争うことができます。
Q14:訂正審判を請求する際に、権利者は、通常実施権を許諾されているが設定登録していない(特許法第99条1項に当てはまらない)者に対しても承諾を得る必要があるのでしょうか。また、通常実施権者の承諾がない訂正審判請求であることが明らかとなった場合、特許庁ではどのような対応がなされるのでしょうか。
A14:特許法第127条は通常実施権の登録の有無を要件としていないので、訂正審判を請求する場合には、登録の有無に拘わらず通常実施権者の承諾を得る必要があります。
特許庁は訂正審判の請求があった場合には登録原簿に記載された通常実施権者の承諾の有無を審判請求時に提出された書面をもって確認します。
しかし、通常実施権者の承諾を証明する書類が提出されていない場合、あるいは審理中に、許諾のない通常実施権者の存在が認められた場合には、方式上の瑕疵とされ、同法第133条第2項第2号の規定により審判長による補正命令がなされます。
この補正命令に対し承諾書が提出されない場合には、同法133条第3項の規定により決定をもって審判請求書が却下されます。
Q15:設定登録されていない通常実施権者は第三者に対抗はできないと理解しておりますが、訂正審判時に設定登録されていない通常実施権者の承諾も必要との関係はどうなっているのでしょうか。
A15:通常実施権者にとって特許権者は第三者にあたりませんので、特許法第99条3項(登録の効果)の規定に関係なく、同法第127条に規定する承諾が必要とされます。
Q16:特許法第126条第2項ただし書きの「九十日の期間内」に続く括弧書部分「(当該事件について第百八十一条第一項の規定による審決の取消しの判決又は同条第二項の規定による審決取消の決定があった場合においては、その判決又は決定の確定後の期間を除く。)」は、判決又は決定により一度審決が取消された後は、無効審判が特許庁に再係属し、再度の審決の審決取消訴訟が提起された後には、特許法第126条第2項本文の原則に戻って、90日間の期間制限を受けるという理解でよろしいでしょうか。
A16:特許法第126条第2項本文により、原則として無効審判の審決取消訴訟の出訴後に訂正をすることはできませんが、出訴後90日間に限っては訂正審判を請求することができます(ただし書)。
括弧書はただし書にのみに係っていますので、当該90日間における判決または決定の確定後の期間は、訂正審判の請求が認められないこととなり、再度の審決取消訴訟が提起された場合には、提起された日から90日間は訂正審判を請求することができます。
Q17:無効審判の審決取消訴訟で差戻された再係属の無効審判が再度高裁に出訴された場合、2度目の訴訟でも出訴の日から起算して90日以内の訂正審判の請求が認められるのでしょうか。それが繰り返されると審理の遅延になるのではないでしょうか。
A17:2度目の訴訟でも出訴の日から起算して90日以内の期間であれば訂正審判の請求は認められます。
この場合裁判所は、審理の迅速化の観点から、差戻し決定をせずに、判決を出す可能性が高いと思われます。
従って、差戻し決定が何度も繰り返される可能性は少ないと考えられます。
Q18:無効審判に対する審決取消訴訟の出訴後に訂正審判の請求がされた場合、中止通知をするとのことですが、なぜ、審理を中止するのでしょうか。差戻し決定がなかった場合、引き続き訂正の可否は審理されるのでしょうか。
A18:差戻し決定がされた場合、訂正審判は差戻された無効審判の訂正請求として吸収されることとなっていますので(特§134の 3)、差戻し決定のされる蓋然性が高い場合には、審理の効率化の観点から、訂正審判の審理を中止する運用としております。
差戻し決定がなされなかった場合には、請求人からの申し出を待って、審判合議体の裁量により、訂正審判の審理が再開されます。
なお、無効審判に対する審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内にされた訂正審判で、かつ侵害事件と同時係属する訂正審判、又は2度目の審決取消訴訟提起後の訂正審判については、迅速な紛争解決のため、又は差し戻しの蓋然性が低いことから、手続を中止せず、速やかに審理を行うこととしております。
Q13:訂正審判において訂正が認められた場合、第三者が、その訂正が認められたことに対して不服があれば、無効審判で争えば良いのでしょうか。
A13:不適法な訂正がなされた場合は、特許法第123条第1項第8号に該当するため、それを無効理由として無効審判を争うことができます。
Q14:訂正審判を請求する際に、権利者は、通常実施権を許諾されているが設定登録していない(特許法第99条1項に当てはまらない)者に対しても承諾を得る必要があるのでしょうか。また、通常実施権者の承諾がない訂正審判請求であることが明らかとなった場合、特許庁ではどのような対応がなされるのでしょうか。
A14:特許法第127条は通常実施権の登録の有無を要件としていないので、訂正審判を請求する場合には、登録の有無に拘わらず通常実施権者の承諾を得る必要があります。
特許庁は訂正審判の請求があった場合には登録原簿に記載された通常実施権者の承諾の有無を審判請求時に提出された書面をもって確認します。
しかし、通常実施権者の承諾を証明する書類が提出されていない場合、あるいは審理中に、許諾のない通常実施権者の存在が認められた場合には、方式上の瑕疵とされ、同法第133条第2項第2号の規定により審判長による補正命令がなされます。
この補正命令に対し承諾書が提出されない場合には、同法133条第3項の規定により決定をもって審判請求書が却下されます。
Q15:設定登録されていない通常実施権者は第三者に対抗はできないと理解しておりますが、訂正審判時に設定登録されていない通常実施権者の承諾も必要との関係はどうなっているのでしょうか。
A15:通常実施権者にとって特許権者は第三者にあたりませんので、特許法第99条3項(登録の効果)の規定に関係なく、同法第127条に規定する承諾が必要とされます。
Q16:特許法第126条第2項ただし書きの「九十日の期間内」に続く括弧書部分「(当該事件について第百八十一条第一項の規定による審決の取消しの判決又は同条第二項の規定による審決取消の決定があった場合においては、その判決又は決定の確定後の期間を除く。)」は、判決又は決定により一度審決が取消された後は、無効審判が特許庁に再係属し、再度の審決の審決取消訴訟が提起された後には、特許法第126条第2項本文の原則に戻って、90日間の期間制限を受けるという理解でよろしいでしょうか。
A16:特許法第126条第2項本文により、原則として無効審判の審決取消訴訟の出訴後に訂正をすることはできませんが、出訴後90日間に限っては訂正審判を請求することができます(ただし書)。
括弧書はただし書にのみに係っていますので、当該90日間における判決または決定の確定後の期間は、訂正審判の請求が認められないこととなり、再度の審決取消訴訟が提起された場合には、提起された日から90日間は訂正審判を請求することができます。
Q17:無効審判の審決取消訴訟で差戻された再係属の無効審判が再度高裁に出訴された場合、2度目の訴訟でも出訴の日から起算して90日以内の訂正審判の請求が認められるのでしょうか。それが繰り返されると審理の遅延になるのではないでしょうか。
A17:2度目の訴訟でも出訴の日から起算して90日以内の期間であれば訂正審判の請求は認められます。
この場合裁判所は、審理の迅速化の観点から、差戻し決定をせずに、判決を出す可能性が高いと思われます。
従って、差戻し決定が何度も繰り返される可能性は少ないと考えられます。
Q18:無効審判に対する審決取消訴訟の出訴後に訂正審判の請求がされた場合、中止通知をするとのことですが、なぜ、審理を中止するのでしょうか。差戻し決定がなかった場合、引き続き訂正の可否は審理されるのでしょうか。
A18:差戻し決定がされた場合、訂正審判は差戻された無効審判の訂正請求として吸収されることとなっていますので(特§134の 3)、差戻し決定のされる蓋然性が高い場合には、審理の効率化の観点から、訂正審判の審理を中止する運用としております。
差戻し決定がなされなかった場合には、請求人からの申し出を待って、審判合議体の裁量により、訂正審判の審理が再開されます。
なお、無効審判に対する審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内にされた訂正審判で、かつ侵害事件と同時係属する訂正審判、又は2度目の審決取消訴訟提起後の訂正審判については、迅速な紛争解決のため、又は差し戻しの蓋然性が低いことから、手続を中止せず、速やかに審理を行うこととしております。