2010年夏・アニメ最終回の感想文その3

2010-07-01 00:44:12 | 2010年春アニメ関連

 2010年夏終了アニメといえばこの作品は欠かせません。というわけで今回は2010年春アニメの大本命だった「Angel Beats!」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Angelbeats14 Angelbeats15 「Angel Beats!」…「AIR」「CLANNAD」に代表されるKey作品のメインシナリオや音楽を手がけた麻枝准が初めてテレビアニメ作品の原作・全話脚本を手がけたオリジナル作品で、アニメ制作はP.A.WORKSです。泣きゲーのシナリオライターとして確固たる地位を築いた麻枝准が初めて本格的にアニメに進出したことから前人気や話題性は極めて高く、春アニメの本命中の本命と言われていたこの作品、第1話は作画は良かったんですが話の内容はちょっと訳が分からなく、ギャグも寒かったためちょっと強引だった印象を受けました。

Angelbeats16 Angelbeats17 続いて2話では今度は死後の世界ということで死んでもそのうち生き返るという設定からかすさまじいほどに人が死に、実況では「死ぬという行為が軽すぎて全く賛同できない」とかなり叩かれていました。そして3話ではこの作品で重要な位置づけのバンド「Girls Dead Monster」のボーカル岩沢が早々に退場するという展開になり、1クールアニメならではの早すぎる展開に視聴者はついていけてませんでした。

この作品、1クールアニメでさらにオリジナルなのにキャラクターまで多いため顔と名前が一致しないキャラもいました。そういう意味ではオープニングでキャラクターを名前つきで登場させる演出は良かったとは思います。

Angelbeats18 Angelbeats19 何かと批判も多い作品でしたが面白いところも多く、キャラクターではユイと日向の漫才は非常に見ていて面白かったし、5話のテスト回の繰り返しギャグは麻枝准脚本らしい話でした。他にも音無の過去話やユイの話など面白い話も多かったんですが、それ以上に寒い話や盛り上がらない回も存在していたため信者とアンチで毎週論争になってました。でもそういう意味では毎週展開が全く読めず気になる作品であったと思います。

公式で「Angel Beats!の82%は7話でできています!」とか言っていた7話でしたが、いざ視聴してみると…うーん、これで82%?といったかんじで当時は不安になってしまいました。個人的には7話よりも音無の過去と天使の真意が判明する9話のほうが82%あった気がします。

Angelbeats20 Angelbeats21 シナリオにおいてもこれだけ話題になっていましたが、キャラクターについても話題は尽きませんでした。まずなんといってもこの作品において天使の存在は欠かせません。

「天使ちゃんマジ天使」

これだけで語るには十分なほどこの作品は天使が大半で、残るはユイと直井ぐらいです。

Angelbeats22 Angelbeats23 ゆりは序盤ニセハルヒとか呼ばれていて中盤の天使いじめで人気を落としまくり、最後はあれだけの過去を持ちながらあっさり退場してしまいとてもヒロインとは思えなく、主人公の音無に至っては序盤の人気はそれなりで終盤で過去が判明してから人気が上がりかけていましたが最後の最後で評判はマイナスに…。

Angelbeats24 Angelbeats25 最後は1クールアニメらしい強引かつ強制終了のような展開になり、世界の神いわく「この世界は愛があると永遠の楽園になる」とかなんか訳分からない話になって、最後の卒業式でキャラが変わりすぎた天使やゆり含め寒さは最高潮に達し、音無の予想外の裏切りで終わってしまいさすがに自分含め信者の方々も擁護しきれない最後だったと思います…。

Angelbeats26 Angelbeats27 しかしこの作品、音楽は紛れもない一級品で麻枝准自らが作曲・作詞したオープニングの「My Soul,Your Beats!」はオリコン初登場3位にランクインしたり、挿入歌の「Crow Song」や「Little Braver」もランクインしていて作中のBGMも非常に良く、音楽においては2010年のアニメではナンバーワンかもしれません。自分も信者なのでCDは全て買ってます。

総評

Angelbeats28 Angelbeats29 全体的な感想としては、背景作画は素晴らしかったし話題性も高く、そしてなんといっても音楽は2010年アニメの中でもナンバーワンだと思われます。しかし残念ながらやはり1クールでこれだけの作品をまとめるのは無理があったように感じました。

「キャラクターに感情移入させ、そのキャラを死なせてその悲しみで泣かせる」

という手法が多い麻枝准のやり方は、視聴者が自分のペースで話を進めるゲームには向いていると思いますが時間制限があるアニメには向いてなかったようでした。さらにキャラクターが多すぎたのも問題だったようで、藤巻や大山などほとんど登場すらしないまま消えていったキャラクターも多く、ヒロインのゆりや天使に至っては過去の説明すらあまり無かったため感情移入しづらかったのもマイナスでした。そのためこの作品はキャラクターの掘り下げも含め2クール必要だったとも言われています。

 しかし特に記憶に残らなければあっという間に忘れ去られてしまう1クールアニメにおいてこれほどの話題を作った作品は滅多に現れません。1巻のBD・DVD売り上げが34000枚超えをしたし、アニメ作品的には失敗だったかもしれませんが商業的には大成功だったようです。「やり遂げたので、これで麻枝は消えます。」などとイベントで本人が言ったそうですが、これだけでは済まさず麻枝准には色々と頑張ってもらいたいです。でもアニメの脚本はもういいかな…。