若干ネタバレ有り注意 「劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」視聴終了

2013-10-28 02:12:36 | 2011年冬アニメ関連

Madokamagika1Madokamagika2Madokamagika3Madokamagika410月26日に公開された「劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」を視聴してきました。

魔法少女ものの常識を覆した話題作の完全新作ということで、公開2日目のレイトショーながら客の入りはかなり多く混雑していました。男性ばかりでなく女性客も多かったのが印象的です。

まだ公開されたばかりだし、細かいところでネタバレは避けますがあの内容は賛否両論かもしれません。たしかに予想外の展開で見所は多かったですがとにかく理解できないところも多かったです。個人的に3分の2ほどは理解できませんでした。あとあの序盤が長すぎてダレます。

作画はさすがに劇場版だけあって非常に良かったです。劇団イヌカレーの独自空間も相変わらずでした。暁美ほむらの戦闘シーンも非常に動いていてシャフトの欠点である作画の悪さも見られませんでした。BGMも非常に良く、前作の劇場版に勝るとも劣らない出来でした。主題歌もClariSの歌やKalafinaの歌共に悪くはなかったです。

総評

全体的な感想としては、予想外の展開の数々に加えショッキングな内容もあり面白かったですが、個人的にはやはりテレビ版で終わらせていたほうが良かったと思います。理解できない内容も多かったし、虚淵玄脚本らしいハッピーエンドとは言いがたい終わり方だったし、あの結末には納得いかない人も多いかもしれません。


「劇場版 魔法少女まどかマギカ 後編 永遠の物語」視聴終了

2012-10-16 22:07:05 | 2011年冬アニメ関連

Madokamagika2Madokamagika3Madokamagika4Madokamagika5先週に引き続き、今週は「劇場版 魔法少女まどかマギカ 後編 永遠の物語」を視聴してきました。

上映初日からあらゆるアニメ系サイトでニュースになっていましたが、どうやら新編があるようなので今回の後編も前編と似ているみたいです。前編は本当に総集編といったかんじだったので、後編はどう変わったのかと思いながら視聴してみましたが、たしかに総集編でした。

前編と比べると新規カットは多少増えていて、杏子とほむらの変身シーンは新規カットだったと思われます。他にも9話ラストでほむらがキュウべぇと会話をしている場所が部屋ではなく謎の墓場だったり、ラストシーンや所々の背景も細かいところで追加されていました。しかしそれでも新規のシーンは20分無かったように感じました。そのためやはり総集編といった印象は変わらなかったです。あと10話のほむらの過去が語られるシーンへの切り替わりが、やはりTV版と違って劇場版では一区切りつけられなかったためちょっと強引に見えました。カウントアップにより時間を遡った演出は苦肉の策だったように見えます。

途中でTV版オープニングのオーケストラ版が流れたり、Kalafinaの新曲も追加されていたりして歌は多めでした。しかしBGMは少な目だったのは残念。でもほむら対ワルプルギスの夜戦の曲などは良かったです。

総評

全体的な感想としては、すごく…総集編でした。最後に新編の予告があったのでまた印象は違いますが、もしこれで終わりだったら怒るレベルでした。前編よりは新作カットが少し多かったけれどそれでも数えるほどしかなく、当時全国ネットで放送された10~12話の一挙放送のほうがはるかに盛り上がっていました。

しかし新編の予告はTV版の最終回のその後の話のようで、ハッピーエンドにしようとしているみたいだし期待してしまいます。


「劇場版 魔法少女まどかマギカ 前編 はじまりの物語」視聴終了

2012-10-08 01:28:38 | 2011年冬アニメ関連

Madokamagika1土曜日、公開初日に友人と共に「劇場版 魔法少女まどかマギカ 前編 はじまりの物語」を視聴しに行ってきました。

前編のタイトルが「はじまりの物語」とあるように、今回公開された前編は総集編に近いかんじでした。テレビ版の1話~8話までだったようですが、所々BD版で見たことがある絵柄だったのでテレビ版を使い回ししたところは少ないように見られました。背景などはテレビ版よりかなり緻密で綺麗になっていたので修正も多数加えられているようです。光の加減も抑えめになっていました。

しかし見た感じ新規カットはかなり少ないように見受けられました。魔法少女の変身シーンはいくつか新規でしたが、それでも全く別物というよりはちょっと手を加えたぐらいです。前編ラストシーンは完全新規でしたがそれも一瞬だったのでちょっと物足りないところはありました。

それとは逆に思いっきり良くなったところが音楽でした。テレビ版は十分BGMは良かったけど曲数が少なかったためいつも同じ曲がかかっていた印象だったのに対し、今回の劇場版は5曲ぐらいかかっていてそれがどれも素晴らしい。病院でグリーフシードを見たときにかかった曲や暁美ほむらがまどかに語りかけるシーンの曲、マミ対シャルロッテ戦で流れた曲はヴォーカル付きの特別版だったし、極めつけはエンディングで流れたTV版エンディングの別バージョンで、あれが今回一番の見所でした。あの歴代魔法少女達?が現れる演出からTV版に変わるまでの流れも実に良くあれだけでも十分劇場版を見た価値があります。

テレビ版8話ぐらいのところが終わったところで後半の「永遠の物語」に続くようですが、果たしてここでどのような作品に仕上げてくるのかは気になるところです。テレビ版ラストの続きにするのか?今から楽しみにしておきます。


総評

全体的な感想としては、アニメ版をあまり知らなければかなり楽しめると思います。しかし実際のところ新規カットがほとんど無く、BD版を編集した総集編といったかんじだったので予想よりはイマイチでした。それでも作品自体は面白いので十分楽しめ、特にエンディングが完成版といっても良い出来です。

これで来週の後半で一体どのような作品に仕上げるのか…スタッフ達の手腕に期待したいところです。


久々に心が震えた23

2012-03-07 00:47:00 | 2011年冬アニメ関連

カードゲームアニメの元祖といえば間違いなく遊戯王シリーズだと思われますが、今でも新シリーズが続々と作られて放映されています。ルールを知らなければ楽しめないと思われがちですが、面白いカードゲームアニメはルールを知らなくても雰囲気だけで楽しめます。

Yuugiouzexal18Yuugiouzexal19Yuugiouzexal20Yuugiouzexal21というわけで現在絶賛放映中の遊戯王シリーズのテレビアニメ「遊戯王ZEXAL」ですが42話と43話における遊馬&カイト vs Ⅲ&Ⅳのタッグデュエルはカードバトルだけで2話まるごと使うというボリューム満点のバトルで見応え十分でした。お互いカードを惜しまず使用し、ナンバーズも多数登場しながらもトラップカードを使った戦術が多彩で非常に面白かったです。

Yuugiouzexal22Yuugiouzexal23Yuugiouzexal24Yuugiouzexal25そしてクライマックスでカイトが進化した超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシー・アイズ・フォトン・ドラゴン)を遊馬と協力して初召喚したときの盛り上がりが素晴らしい!やはりカードゲームアニメでは遊戯王シリーズが頭一つ抜き出ている気がします。

同時進行で同じカードゲームアニメでは「カードファイト!!ヴァンガード」「バトルスピリッツ覇王」も視聴していますが、そちらの現時点での感想は

Vangard17Vangard18Vangard19Vangard20「カードファイト!!ヴァンガード」のほうは、主人公が珍しく熱血型ではなくおとなしめでヴァンガードも弱かったですが、虚栄浸蝕のCMにも出ていたレンから受け取ったシャドウパラディンデッキによる悪堕ちアイチきゅんはダークサイドすぎてグッド!最初のうちはイマイチでしたが後半は面白いです。しかしあのショボイ作画だけはなんとかならんものか…。

Battlespirits63Battlespirits64Battlespirits65Battlespirits66「バトルスピリッツ覇王」は今期から子供向けにシフトチェンジしていましたが、正直過去2作品に比べ圧倒的につまらんです。キャラもなんかイマイチだし致命的なのはスピリットのダサさ。ミブロックブレイヴァーは格好良かったですが、セイリュービとか歴史の英雄とモンスターは合わなすぎでしょう。普通に試合を淡々と行っているためアニメならではの展開にもなってないのも残念。


2011年流行語大賞

2011-12-05 01:06:25 | 2011年冬アニメ関連

12月に入ったことにより、毎年恒例となる「2011年ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、今年は史上初の快挙を成し遂げたサッカー女子日本代表を表す「なでしこジャパン」が大賞に選ばれていました。

今年は震災の影響が非常に強かったため、ランクインしたのは震災がらみの単語が多く、「帰宅難民」 「絆」 「こだまでしょうか」 「3・11」 「風評被害」と半数近くを占めていたようです。

それ以外だと、今年あたりから一気に流行しだした「スマホ」、新しく発足した野田内閣を表した「どじょう内閣」、バラエティなどで良く見られた「どや顔」、「ラブ注入」など、今年は去年より納得のいくランキングだった印象を受けました。

…まぁそんなリア充のような話題はここまでにして、やはり今年も恒例、アニメ関連の流行語大賞を見ていきたいところです。

今年のアニメ流行語大賞は「魔法少女まどか☆マギカ」の名言「わけがわからないよ!」だったようです。この単語が出たときのシーンのインパクトの強さもさておき、汎用性の高さからも流行語大賞に納得です。まどかマギカ関連では、他にも「エントロピー」や「僕と契約して、○○になってよ!」や「マミる」など数々の名言が登場していました。

他にも夏に一斉を風靡した「輪るピングドラム」より「生存戦略」

「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」より「あなる」

「花咲くいろは」より「ホビロン」

「ロウきゅーぶ!」より「まったく、小学生は最高だぜ!!」

「ゆるゆり」より「\アッカリーン/」

「プリティーリズム・オーロラドリーム」より「ハピラキ!」

滑り込みでノミネートされた「機動戦士ガンダムAGE」より「強いられているんだ!」

「Steins;Gate」より「トゥットゥルー」

「TIGER&BUNNY」より「ありがとう!そして、ありがとう!」

萌えに代わる新しい単語としてネットで流行した「ブヒる」

などがノミネート及びランクインされていた模様です。今年はまどかマギカが席巻しましたが、これらの単語以外でも皆様の中で印象に残った単語はありましたでしょうか。


久々に心が震えた18

2011-10-28 20:44:55 | 2011年冬アニメ関連

Pricure29Pricure30Pricure31Pricure32ついに先週今まで謎に包まれていた仮面のプリキュアの正体が明らかになりましたが、今週いよいよ本格的に詳細が明らかになり、ついに参戦!変身バンクも追加され実況は大盛り上がりでした。しかしキュアミューズの正体明かす前と明かした後…明らかに等身が違います。いろいろ説がありますが有力なのは

マジックハンドや上げ底を駆使し等身をごまかした説

ビッグ・ザ・武道の例もあるし細かいことはどうでもいいんだよ!説

のどちらかのようです。

Pricure33Pricure35Pricure36Pricure34アフロディテやメフィスト、オトキチの関係も明らかになり今週から物語が一気に進んだ気がします。そしてまさかファルセットが真の幹部とは意外。ここからは一気にシリアス調でいくんでしょうか。

Pricure37Pricure38Pricure39Pricure40Pricure41Pricure42Pricure43Pricure44まぁそれはいいとして…キュアミューズことアコちゃん、これで小学生かよ!小学生プリキュアとは史上初?妙に色気があり性的でした。これは今年のあの名言を使わざるを得ない。

まったく、小学生は最高だぜ!


これもある意味マラソン

2011-04-30 02:33:27 | 2011年冬アニメ関連

2011huyuanime5 4月末になり2011年冬アニメとして放映された作品のBD・DVDもあらかた発売されました。

その中でも、これは!と思ったものや心が震えた作品は買っています。2011年冬アニメの中でBD・DVDを購入したのは歴代最高の4作品。そういう意味では2011年の冬アニメはかなりの豊作だったのかもしれません。


(ネタバレ有り)2011年春終了アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」最終回の感想文

2011-04-24 23:19:04 | 2011年冬アニメ関連

1話の感想文を淡々と書いていますがやはり今回はこの作品の感想文を書かずにはいられません。というわけで今回は「魔法少女まどか☆マギカ」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Madokamagika13 Madokamagika14 「魔法少女まどか☆マギカ」…アニメ制作会社シャフトのオリジナルアニメ作品で、アニメ制作はシャフトです。監督は新房昭之、キャラクター原案蒼樹うめ、そして脚本虚淵玄と、今までに無い異色のキャストで2011年冬アニメの本命の1つと言われていたこの作品、1話では魔法少女の一人暁美ほむらが謎の行動を取る展開の中、もう一人の魔法少女巴マミが登場して魔女を倒していました。

基本的に蒼樹うめデザインの可愛い系のキャラクター達が魔法少女として魔女と呼ばれる存在と戦っていたため、この作品もいわゆるなのはシリーズのように萌えとド派手な魔法アクションを駆使して、時にはドジっ娘のような展開もあるアニメなんじゃないかと思っていて、実際どこのアニメ雑誌でも萌えを前面に押し出していました。が、しかしその幻想は3話で一気に崩れ去ることに。

Madokamagika15 Madokamagika16 3話でついに主人公鹿目まどかが魔法少女になる決心をしますが、その回で巴マミが魔女シャルロッテに頭から喰われ惨殺されるという、通称「マミる」という現象が起きてからは物語の雰囲気は一変して暗くなっていきました。そしてこの3話からエンディングが流れるようになりましたが、そのエンディングがまた曲、歌詞ともに作品に合っていて、思えば1話と2話にエンディングが無かったのは意図的だったようです。

Madokamagika17 Madokamagika18 その後も息をつく間も無く展開は変わり、いよいよ赤の魔法少女佐倉杏子も登場して魔法少女同士の戦いにまで発展し、単なる魔法少女の変身アイテムかと思われていたソウルジェムの正体が判明したときや魔法少女システムの正体など、とにかく毎週見逃せない展開ばかりで毎回釘付けになってしまいました。演出も良かったですが何よりこのシナリオの面白さは別格で、本当に脚本家の虚淵玄はテレビアニメ脚本が初めてとは思えません。

Madokamagika19 Madokamagika20 そしてこの作品においてはキャラクターも非常に良く、魔法少女達もクセが強いながら魅力的でした。もうちょっと美樹さやかと巴マミの過去が知りたいところでしたが、他の3人についてはそれなりに深いところまで過去話があったので、12話作品ながら良く描かれていたと思います。そんな中でもキュゥべえの嫌われ方は異常で、序盤から妙に契約を迫る描写が怪しまれていましたが中盤以降は株が大暴落してダントツの嫌われキャラと化していました。

Madokamagika21 Madokamagika22 キャラクターといえばなんといってもこの作品においては主人公鹿目まどかと暁美ほむらは欠かせません。この2人においては声優の演技も非常に高く評価され、中でも鹿目まどか役を演じた悠木碧の演技は素晴らしかったです。基本的に状況に流されるままで何もしていないキャラはウザがられて嫌われるはずですが、この作品に至ってはそういう意見をほとんど聞かなかったのは演出や脚本のうまさと演技だったと思います。6話で美樹さやかが死んだときに泣いて取り乱した演技が特に絶妙でした。

Madokamagika23 Madokamagika24 そしてこの作品である意味もう一人の主人公とも呼べたのが暁美ほむらでした。序盤から何かと謎のある発言や行動をしていたキャラクターで、その特殊な能力から瞬間移動系とも予測されていましたが期間限定とはいえまさかのあの能力。そしてあの攻撃!魔法少女ものでも今までに見たことがない斬新な攻撃方法に衝撃を受けました。その暁美ほむらの全ての始まりが語られる10話はこの作品で最も印象に残った話で、その中でも時間が戻る寸前にまどかに介錯するシーンの悲痛な叫び声は特に印象的でした。

Madokamagika25 Madokamagika26 11話と最終話はその内容もあり東北太平洋沖地震の後自粛されていましたが、先週ついに地上波で一挙放映が行われネットでもニュースになり実況も大荒れになりました。序盤からの謎の一つだった鹿目まどかの異常な魔法少女としての才能の正体も明らかになり、エントロピーを含む物語が次第に恐ろしい勢いで壮大になっていき、それが原因で萎えてしまった人もいたようで、自分は壮大な話に少々ついていけませんでしたが何はともあれ最後は良く締めていたと思います。ラストの暁美ほむらが弓を構えるシーンとか特に震えました。

Madokamagika27 Madokamagika28 中途半端に2期があるような終わりでも無く、バッドエンドのような終わりでもない絶妙な終わりにネットでは賛否両論のようでした。個人的にはこういう終わりは十分有りかなと思います。そして最後まで戦い続けた暁美ほむらはやはり素晴らしかった…。美樹さやかのラストシーンも忘れられません。完全なハッピーエンドではない終わり方はまさに虚淵玄脚本といったところでしたがこのような終わりだったからこそ印象深かったです。

作画は普通といったところでシャフトらしいかんじでしたが、シナリオ及び演出は別格で素晴らしかったです。今までに無い斬新な話だったこともあり毎週見逃せませんでした。主題歌もオープニングの明るい雰囲気と裏腹にエンディングの禍々しい雰囲気が作品を象徴していました。

総評

Madokamagika29 Madokamagika30 全体的な感想としては…正に別格!2011年が始まっていきなり最大クラスの作品が登場してしまいました。放映前から面白くなるかもとは言われていましたがここまで面白くなるとは予想以上。久々に毎週続きが楽しみなアニメでした。

個人的評価としては、作画はそれなりでしたが面白さと盛り上がり方、そして演出は素晴らしく主題歌も作品を象徴していたし文句無しのSランクです。SSくらいつけてもいいかもしれません。

国内のみならず海外からも注目され非常に高い人気を持っていただけに、BD・DVD売り上げも相当な数の予約が入っているらしくもうすぐ1巻が発売されますが、予想売り上げ枚数が60000以上?とも言われすさまじい結果を叩き出しそうです。2011年はオリジナルアニメの年とも言われていますがそれを象徴する素晴らしい作品でした。最後はやはりこの言葉で。

            ―Don't forget.  
              
忘れないで 

            always, somewhere,
             いつも、どこかで 

          someone is fighting for you.
         誰かがあなたのために戦っている事を 

         ―As long as you remember her.
          あなたが彼女を忘れない限り 

             you are not alone. 
            あなたは一人じゃない


2011年春終了アニメ「放浪息子」最終回の感想文

2011-04-10 15:51:58 | 2011年冬アニメ関連

続いて同じくフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放映されていた「放浪息子」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Houroumusuko13 Houroumusuko14 「放浪息子」…月刊コミックビームで連載されている志村貴子の漫画「放浪息子」のアニメ化作品で、アニメ制作はAIC Classicです。志村貴子作品といえばその独特のクセから視聴者を選びやすいですが、やはり今回の1話も主人公二鳥修一が姉の服を着たところで怒られて街中に逃げるところで終わっていました。

正直自分はあの志村貴子作品の雰囲気を出せるのはJ.C.STAFFくらいじゃないかと思っていて、いつも萌えアニメ作ってるAIC系列があの雰囲気を出せるのかオイと考えていましたが…すいません甘く見ていました!

Houroumusuko15 Houroumusuko16 志村貴子作品といえば、良くも悪くも普通じゃないキャラクターが多く、女の子になりたい男の二鳥修一や男の子になりたい女の高槻よしの、そしてその2人の秘密を知っている千葉さおりの3人を中心に多くの個性の強すぎるキャラクターが登場していましたが、それぞれに見せ場もあり痛いシーンもありつつ心情を描いていて面白かったです。あの中盤で評価を下げまくった土井も最後はイイ奴になっていたのは見事。ただメガネをかけていた二宮は最後まで評価は下がりっぱなしでした。

Houroumusuko17 Houroumusuko19 Houroumusuko18 Houroumusuko20 そして魅力的なキャラは多く、中でも普段は仏頂面をしているのに二鳥修一の前では表情が一変、しかも演劇も見事で凛々しい千葉さおりに、自他共に認める変わり者ですがエロく子供っぽさも残りつつ自分の考えをちゃんと持っている、ちーちゃんこと更科千鶴、序盤こそあまり出番はありませんでしたが7話から一気に頭角を現し最終回の「…だったんですよ。」が可愛すぎた末広安那、そしてこの作品で数少ない常識人で最後の良心とまで呼ばれた佐々かなこ、と個性的かつ良いキャラクターが揃っていました。

Houroumusuko21 Houroumusuko22 シナリオも良くできていて、原作の中学生編が描かれて思春期の中高生の心情や、女の子や男の子になりたいと思っていても次第に第二次成長期を迎えて理想と現実のギャップに悩むところが細かく描かれていて良かったです。ただし中学生ならではの痛い言動や行動も多く重い話もあり視聴者を選びそうでした。

その極めつけはやはり9話で、土井に言われたのがきっかけでにとりんがセーラー服で登校したときは実況でも荒れましたがやってしまった感が強すぎでこの作品でもっとも痛いシーンかもしれません。

Houroumusuko23 Houroumusuko24 しかしその痛さも含め面白い回も多く、文化祭での倒錯劇ロミオとジュリエットや最終回の雰囲気も良く、千葉さおりの語りはアニメオリジナルとは思えないほどで終わらせ方も区切りが良いところで終わらせたので、とても小学生編カットで原作連載中の作品の最終回とは思えないほどの素晴らしさでした。それだけに全ての始まりだった小学生編のカットは惜しい…もし2クール作品で小学生編から始めていればもっと面白かったと思われます。

Houroumusuko25 Houroumusuko26 作画は全くブレることなく安定して、なおかつ独特の水彩画タッチのエフェクトが作品に合っていて最高でした。J.C.STAFFとは違う手法で志村貴子作品の雰囲気を出していたと思います。シナリオ、演出も良く、BGMもピアノやアコースティックギターで淡々とした音楽が雰囲気に合っていて主題歌も特にエンディングが良かったです。主人公二鳥修一の声を演じていた畠山航輔が現役中学生だったのも細かい気配りでした。

終わってみれば「フラクタル」はこの作品のための前座に過ぎなかったとも言われていて、実際自分もそんな感じでした。話題にこそならない地味な作品でしたが確実に2011年アニメの中で上位に入る秀作だと思われます。

総評

Houroumusuko27 全体的な感想としては、中学生ならではの痛さや考え方を表現しつつ、志村貴子作品独特の個性が強いキャラクターも良く面白かったです。惜しかったのは一部の登場人物の影が薄く顔と名前が一致しなかったのと、小学生編を丸々カットして中学生編から始まっていたことでしょうか。

個人的評価としては、作画は非常に良く文句無し。シナリオもとても途中で終わったとは思えないくらい区切りのいい終わり方だったし、音楽も作品に合っていて主題歌も慣れてきたら良く、全体的にかなり完成度が高かったので文句無しのSランクです。

素晴らしい作品でしたが、志村貴子作品はその独特の作風から視聴者を選ぶ傾向が強く、前作「青い花」は良く出来ていたのにDVD売り上げ500枚以下という結果を出したため、今回もまた同じ結果になるのは余りにも忍びないので自分はBD版を予約しています。

このような「売れそう」よりも「面白い」作品を積極的にアニメ化するフジテレビと日本テレビは個人的にも大ファンです。