今回もまた一つお気に入りかつ息の長い作品が終わってしまいました。今回は「バトルスピリッツ ブレイヴ」の最終話を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。
「バトルスピリッツ ブレイヴ」…バンダイのトレーディングカードゲーム「バトルスピリッツ」を題材にしたオリジナルアニメ第3弾で、アニメ制作はサンライズです。前作「バトルスピリッツ 少年檄覇ダン」の2期にもあたるこの作品、1話は暴将デュックと戦い初めてのブレイヴスピリットを使い勝利したところで終わっていました。
続いて登場したのがライバルとなるバローネとのバトルでしたが、相手も同じブレイヴスピリット使い…しかも格好いい!
バローネが使う月光龍ジークヴルムは初期から格好良く、しかも後期に登場した月光神龍ルナテック・ストライクヴルムはさらに磨きがかかるため非常に人気が高かったです。
そして早々に負ける馬神弾…この作品、主人公が勇者レベルで強いわけではなく、何度も負けることがあったのでその辺りが現実味があり良かったと感じます。しかしさすが純粋に命を賭けるような熱いカードバトルを望んでいただけあってライフを削られることにより喜んでいたのは彼一人だけでした。そして戦う度に顔が濃く…終盤でのダブルブレイヴでの変化はもはや主人公というよりラスボスの風格でした。
舞台設定が1期より数百年後の地球なため登場人物は1期から引き続き登場のキャラは少なめでした。そんな中まさかの生まれ変わりだったゾルダーとフローラのコンビは予想外のサプライズかつ、後半のバトル回及びそのラストでのシーンは1期から見ていた人にとっては非常に感慨深いものでした。
物語としては、魔族という存在を排除しようと地球が全体をリセットしようとする中、いかにして地球を救おうかと考える人間サイドと、自分たちは環境に適応できるから問題ないとして地球征服を目論む魔族サイドとの戦いが続いている感じでしたが、その展開に変化を与えたのが神々の力を持つ十二宮エックスレアと水面下で活動していたザジが組織した獄龍隊及びブレイヴキラーでした。
神々の力を持つ十二宮エックスレアなだけあってその効果は相当なものでルールを知らなくても絶大だったのは分かりました。星座ということもあり思わず「聖闘士星矢」とか思い出してしまいますが、案の定射手座の光龍騎神サジット・アポロドラゴンと獅子座の獅騎龍神ストライクヴルム・レオは別格の扱いでした。それと初期に登場してきた蟹座の巨蟹武神キャンサードも出番が多かったです。その代わりとして牡羊座の白羊樹神セフィロ・アリエス、魚座の双魚賊神ピスケガレオン、乙女座の戦神乙女ヴィエルジェ、天秤座の天秤造神リブラ・ゴレムは全く出番が無く特にヴィエルジェは期待していたのに全く登場しなかったなんて許されないよ!
中盤から登場したブレイヴキラーデッキは対ブレイヴスピリットに対し絶大だったため中盤は良いライバルポジションだったと感じます。特に滅神星龍ダークヴルム・ノヴァと闇の聖剣のコンボはラスボス並の圧倒的存在感で見応えも十分でした。
新規のデッキも見応えがありましたが、今回は2期なだけに1期の印象的なデッキが登場するのも憎い演出で、ヴィオレ魔ゐが使用した、1期ラストで馬神弾が使っていたデッキにブレイヴキラーを混成させたダブルノヴァ、グレート・イーグルが使用した、過去に激突王と呼ばれていた頃の馬神弾の戦い方を参考にしてさらに1期ラスボスだった異界王が使っていた幻羅星龍ガイ・アスラを加えたデッキや、フローラが使用した、かつて前世だった百瀬果実が使用していた賢者の木の実を使用した戦術、クラッキーが使用した、天使長ソフィア達の女性デッキが登場したときはさすがに1期から視聴していた人にとってはたまらない展開だったと思います。
そしてついにラスボスはイザーズかと思われていましたがまさかの改心、ラストバトルは神々の砲台を起動させるためのエネルギーをためるために馬神弾対バローネの宿命の対決でしたが、ラストバトルは十二宮エックスレアを使いまくりかつ戦術的にも見応えがありラストにふさわしい戦いだったと思います。ただラストが「え?これで終わり?」といった感じで駆け足で終わってしまったのは2年放映されていた分ちょっともったいなかったかもしれません。
作画は非常に安定していて全話通して作画がおかしい回がありませんでした。スピリットのCGも格好良くカードバトルアニメの中でも抜きんでた存在です。そして作画監督によってかなりクセが強い作画なこともあるためたまに濃すぎることも少々ありました。そして主題歌も良かったんですが、まさか1話から50話まで全く変わらなかったのがある意味すごかったです。
総評
全体的な感想としては…2年前から続き合計100話近く放映された今回の馬神弾が主人公だったバトルスピリッツシリーズ、非常に面白かったです。カードバトルながら少年漫画らしい王道な熱い展開でありつつも萌え要素も多く、盛り上げ方もうまかったしかなり完成度の高いアニメでした。ルールを知らなくても面白かったのはさすがです。ただラストが思っていたよりあっさりしすぎていたのと、真のラスボスを臭わせていた謎の組織は全く登場せず、十二宮エックスレアの出番が偏りすぎていてほとんど出なかった星座があったのが残念でした。
全体的な個人的評価としては、カードとかそういうのを抜きにして純粋にアニメとして完結させていて面白かったので永久保存版のAランクです。
ただし今回の馬神弾シリーズは萌えに偏りすぎて子供の人気が得られなかったようで、次からは子供向けに絵柄を変えてきたのが非常に惜しまれます。