2009年春・アニメ感想文 最終回・総括

2009-09-14 07:12:20 | 2009年春アニメ関連

 いよいよ今月から夏アニメの最終回ラッシュが近づき秋アニメの情報が公開されてきました。ここで自分がやることと言ったら…まずは春に終了したアニメの最終回の感想文からです。そこからかよ!というツッコミも来そうですが、第1話を見終わったあと第2話を続けて見ると予想以上の良作が見つかることがあり、その作品は最初から最後まで視聴するため予想以上に時間がかかる場合があり感想文の最終回は毎回遅れます。

 そんなわけで春に最終回を迎えたアニメ作品の感想文、最後に書くのは日テレ深夜アニメの「はじめの一歩 New Challenger」とローカル局で放送された作品から「鋼殻のレギオス」「アスラクライン」「初恋限定(ハツコイリミテッド)」そしてトリを飾るのは「クイーンズブレイド 流浪の戦士」です。

Hazimenoippo2 Hazimenoippo3 「はじめの一歩 New Challenger」…週刊少年マガジンで連載されている、森川ジョージの超人気漫画「はじめの一歩」のアニメ化第2期作品で、アニメ制作はマッドハウスです。第1期が放映されたのが2000年でしたが当時は深夜アニメでは異例の視聴率4.5%を記録した人気作品となっていて、その一歩が7年ぶりにテレビで復活ということで前人気は非常に高かったです。

 自分は第1期が放映された当時は見ていなかったので今回の第2期から見始めたんですが、2期は宮田一郎の東洋太平洋フェザー級タイトルマッチから始まり、そこから物語が進んでいました。自分は原作を見ていますがテレビで視聴するのは初で、果たしてどのようなものか…と思って視聴していましたが、さすがマッドハウス制作といったところで作画は非常に安定していたし、試合のシーンも迫力あったしジャブ一つの動作から必殺ブローに至るまで丁寧に作られていて原作に勝るとも劣らない完成度の高さで、久々にマッドハウスの本気を見ました。

 そして今期の最大の見所は、やはり鷹村守vsブライアン=ホークの世界ジュニアミドル級タイトルマッチでしょう。バトルシーンの迫力も文句無し、原作の名シーンも忠実に再現されていたし、何より鷹村守役の小石力也とブライアン=ホーク役の大塚明夫の声がハマリすぎていて非常に面白かったです。

 …とこのように正直なところ非の打ち所がない完成度の高さで、欠点らしいところが特に見あたらない素晴らしい出来でした。ただ一つ残念なところは7年ぶりの続編なのに26話で終わってしまったところでしょうか。1期は75話放映したのでせめて48話くらいやってほしかったですね。しかし最終話で次の対戦相手が思いっきり出ていたのでもし3期をやるのなら島袋は確定として沢村も出てきそうな予感で、第3期も非常に期待しております。

Regios2_2 Regios3 「鋼殻のレギオス」…雨木シュウスケのライトノベル「鋼殻のレギオス」のアニメ化作品で、アニメ制作はZEXCSです。

 最初に第1話を見たときは、これは金髪黒ニーソックスのニーナ先輩に萌えるアニメだと思っていましたが、視聴を重ねるごとにこの作品はクールな表情とは裏腹に嫉妬深いフェリ先輩に萌えるアニメだということが分かりました。自分も「馬鹿ですね」と言われてスネ蹴りを食らいたいです。

 キャラ萌えも良かったですが、肝心のシナリオのほうは確かにライトノベルといったかんじの作品でしたが厨設定なのは思ったほど無く、かなり正統派の学園ファンタジーもので予想していたより面白かったです。バトルシーンも多く結構良く動いていたし頑張っていたと思いました。そしてこの作品、オープニングや作中のBGMを浅倉大介がプロデュースしていたのでカッコイイ曲が多かったです。

 話の展開としては基本的に原作準拠で作られていて、最後の最後まで原作に沿って作られたようです。そのせいか謎が結構残ったまま終わった印象を受け、別世界のようなものの存在があまり語られなかったり、毎回ちょっとずつ流れていた「レジェンド・オブ・レギオス」が結局意味不明なままだったりと不完全燃焼なところも多かったのが残念でした。あとシリアスな話が続いていたのに中盤にいきなりテコ入れで水着回が入ってその1話だけ思いっきり浮いていて別作品と化していたのであれは別にいらなかった気がしないでもなかったです。しかし全体的に見るとなかなかの良作だったと思いました。そしてどうやら制作途中でスタッフの一人が亡くなったようで、最終話にそのテロップが入っていてちょっと感慨深くなりました。

Asurakurain2 Asurakurain3 「アスラクライン」…電撃文庫から刊行されている三雲岳斗のライトノベル「アスラクライン」のアニメ化作品で、アニメ制作はセブン・アークスです。第1話からいきなり主人公の家に武装した集団がやってきて戦闘になったり、謎のトランクと共に現れたロボットのような巨人アスラ・マキーナが出てきたりと1話からよく分からない展開になっていました。

 それ以外にも射影体と呼ばれる幽霊のようなものの存在や悪魔と呼ばれる人たち、世界が一度滅びて二巡目と呼ばれている世界などよく分からない設定が多数あり、それらの説明があまり無かったためイマイチ話の内容が頭に入ってこず、これは原作知らないと良く分からないと思いました。しかし射影体の操緒が幽霊なのにワイシャツ一枚で朝寝ていたり、悪魔っ娘の奏が妙に仕草がエロかったりとキャラクターはなかなか良かったと思います。

 作画においてはキャラクターの作画はセブン・アークスだからかどうかは分かりませんが非常に危うい作画バランスで、いつ作画崩壊してもおかしくない状況だったように見えました。まぁ銃構えたときの構えと妙なポーズを決めていたのはご愛敬ということで。でもアスラ・マキーナのCGはなかなか良くできていたと思います。

 オープニングとエンディングの主題歌をAngelaが歌っていたので最近では珍しいなと思いつつ、作品としての全体の出来は…うーん原作知らないと話の内容があまり頭に入らずイマイチだと思われます。そして最終回では射影体の悲しい真実の一部を知り主人公が「なんで教えてくれなかったんだ!」というバッドエンドに近い展開の後に「2009年秋、アスラクライン2放映決定!」と第2期の放映が発表されていました。

Hatukoilimited1 Hatukoilimited2 「初恋限定(ハツコイリミテッド)」…週刊少年ジャンプで連載されていた、河下水希の漫画「初恋限定」のアニメ化作品で、アニメ制作はJ.C.STAFFです。半年の連載の後打ち切られてしまったこの原作が今頃になってアニメ化するという非常に珍しい現象の中、第1話を視聴したときはなかなか面白く作画も良かったしエロかったのでついつい続きを見ることにしていました。

 で、2話以降を視聴してみたら…これは…面白い!予想以上に面白く一気に視聴してしまいました。まず作画ですが、J.C.STAFFが作っていたのもあり非常に安定しつつエロい部分も原作を忠実に再現していたため良かったし、BS11でのみ放映されていたせいかパンチラ規制も無く所々にパンチラシーンもありました。

 それでシナリオや演出がショボかったらただのお色気アニメで終わってしまうところですが、この作品は終盤を除き基本的に1話完結方式で主人公が毎回変わり、テーマが恋愛を扱っているため難しい設定も無くシンプルで、キャラクターも女性はもちろんのこと男性も個性が強すぎるキャラが多く非常に見ていて面白かったです。中でもやはり強烈なのは海パン一丁で職員室やファミレスに乱入した水泳部の部長とかでしょうか。ギャグシーンも面白く、他にも楠田と江ノ本のやりとりは見ていてニヤニヤしっぱなしでした。話の内容も非常に面白く別にエロ無しでも十分楽しめました。

 エンディング曲もmarbleがこの作品のために書き下ろした楽曲のようで、さらに毎週の話が終わるタイミングに合わせ絶妙にエンディング曲が始まるため非常に良かったです。さらにクリスマス回には「とらドラ!」と同じようにクリスマス専用曲を流してきたので心憎い演出でした。

 最後に始まる声優の対談によるオマケコーナー「初恋放課後トーク」もまぁまぁ良かったと思うし、中途半端な恋愛感情のまま終わらせたキャラもいなかったし最後はうまく締めたと思います。チョイ役で終わってしまったQちゃんや江ノ本姉の話も是非見てみたかったですが、この作品の全体的な完成度は高いと思います。知名度こそ低いですが非常に素晴らしい作品でした。

Queensblade2 Queensblade3 「クイーンズブレイド 流浪の戦士」…アメリカのゲームブックが原点になっている作品をHobbyJAPANが日本向けに出版した作品「クイーンズブレイド」のアニメ化作品で、アニメ制作はアームスです。過激なエロ衣装に包んだ乙女達のバトルものとして有名なため自分も知っていましたがその第1話が放映されたとき、パンチラどころかモロ出し描写も多くAT-X以外全ての放送局で規制がかかるなどしてちょっと話題になっていました。

 しかし、露骨なエロシーンが多くてもバトルが熱ければ十分面白い作品だったのかもしれませんが、この作品はさすがにバトルシーンもショボかったし、「戦国BASARA」のような馬鹿アニメでも無かったし、思わずニヤニヤしてしまう展開も無かったし、盛り上がる展開も無かったし、キャラも大半がおっぱいキャラばっかだし…となかなかイイところが見つかりませんでした。あ、でも最終回近くで出てきた女王はなかなかエロかったと思います。あとこの作品、声優はかなり豪華で平野綾に能登麻美子、川澄綾子に釘宮理恵も出ていますので声優ファンなら視聴するのもアリかもしれません。

 女王の座をかけたバトルものなのにその肝心なバトルが非常に残念な出来なのでキャラ萌えアニメとして視聴するしかないかもしれませんが、原作ファンなら面白い…のでしょうか。少なくとも自分は無理でした。そして最終回では女王の都の門が開き、いよいよクイーンズブレイド開戦!…で2009年秋から「クイーンズブレイド 玉座を継ぐ者」がスタートします。

 …以上を持ちまして今回の春アニメおよびそれ以前に放映されていたアニメ作品の感想文は終了です。今回はのべ14作品と少なめでしたが良作が多く即視聴終了クラスはあまりありませんでした。

 今回で一番化けたのはやはり「東のエデン」ですかね…息を呑む展開の数々、次々と明らかになる謎に意表を突かれまくり。非常に面白い作品でした。「戦国BASARA」も最初は至って普通のアクションものかと思いきや予想の斜め上を行く馬鹿っぷりに思わず爆笑。第2期も期待です。そして忘れてはならないのが「けいおん!」、この作品の話題性はすさまじいもので曲が次々とオリコンチャートにランクインする様は圧巻でした。「リストランテ・パラディーゾ」も盛り上がりはしませんでしたが雰囲気は非常に良かったので癒し系アニメとしては良作だったと思います。

 「はじめの一歩」も安定した出来で面白く、3期も期待したいところです。「初恋限定」も予想以上に面白くエロくてニヤニヤしっぱなしでした。

 そして宇宙かけェ…ポリフォニカェ…また今度がんばってください。

 以上で長くなり、さらに遅くもなりましたが6月に最終回を迎えたアニメ作品の感想文はこれにて終了、そして次からは夏アニメの感想文などに続きます。今回も長文になりましたが次回もまたがんばって視聴いたします!

 高崎の2009年春・アニメ最終回の感想文 完