2009年秋・アニメ最終回の感想文その3

2009-09-28 17:07:49 | 2009年春アニメ関連

 放映開始当時はどんなに地雷だと思った作品でもいざ最終回となると寂しいと感じることもしばしば。そういう意味では投げっぱなしENDだけは勘弁してほしいところ。そう思いつつ今回は「真マジンガー 衝撃!Z編 on television」「スラップアップパーティー-アラド戦記-」「ヤッターマン」そして「ねぎぼうずのあさたろう」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Mazingar2 Mazingar3 「真マジンガー 衝撃!Z編 on television」…永井豪の漫画「マジンガーZ」を原作に、過去に「ジャイアントロボ」や「機動武闘伝Gガンダム」などの熱すぎるロボットアニメを手がけた今川泰宏氏が独自のアレンジを加えたマジンガーZの新作アニメ作品で、アニメ制作はBEE・MEDIAとCodeです。第1話でいきなり「大団円!」と称して最終決戦から始まり視聴者は困惑しましたが2話から事実上の第1話が始まり、そこからが本番でした。

 35年前の作品が原作のためたしかにキャラクターは濃いしマジンガーや機械獣のデザインも古く、今では通用しないんじゃ…などと考えたりもしましたが数分後には全く問題ないことに気づきました。現代でも十分通用する素晴らしいロボットアニメです。それに今川監督の演出と脚本が加われば…たしかにマジンガーZの新作と呼ぶに相応しい作品でした。

 まずとにかく熱い!ロケットパンチを撃つシーンを3回繰り返し、玄田哲章のナレーションで何回も叫ぶところとか熱すぎです。オープニング曲もJam Projectだったしここ数年のロボットアニメの不景気を吹き飛ばす非常に面白い作品でした。

 ロボットだけでなくキャラクターが魅力的なのもこの作品の特徴で、主人公の兜甲児よりもむしろ敵のあしゅら男爵やブロッケン伯爵のほうが魅力的だと感じたのは自分だけでは無かったと思います。中でもあしゅら男爵は誕生秘話も含めてほとんどの回に登場し、一時は味方になったりとある意味真の主人公とまで言われていました。ボスボロットも後半活躍してたしスーパーロボット大戦でしかマジンガー知らない世代ではかなりボスの評価が変わったかもしれません。

 話の展開が後半になるにつれ、次第にDr.ヘルの野望の全容とバードス島での真実が分かってきますが、まさかあのような事情があったとは…と、スーパーロボット大戦でしかマジンガーZを知らない自分には衝撃的でした。それに加え今川アレンジもあり、今までに無かったマジンガーの新パーツや新武装も出てきて中盤以降はさらに熱い展開になっていました。こういうアニメだと、?こいつさっき死んだんじゃね?という展開になってもマジンガーだし良し!ということで気にならないこともありました。

 あえて気になったところといえば、オープニングはJamProjectで非常に良かったのにエンディングはSKE48で一気に現代風になったり、回想シーンが多いので使い回しが何度もあったくらいでしょうか。でもちょっと気になったぐらいなので特に作品自体の面白さに影響を与えるほどではないと思います。あとは声優ですかね…初代アニメ版マジンガーZとは全く違うので昔のマジンガー知ってる人にはちょっと影響あるかもしれません。

Mazingar4 作品の話の展開としては終盤になるにつれて第1話と同じようになってきて、あぁこういうことだったのかと納得できるようになり、最終決戦では熱すぎる超必殺技等が見られて、そして衝撃の結末が…!ってこれ、2期というか続きが無いと困るんですが。このまま完結したらいくらなんでも投げすぎだろうと思ってしまう展開でした。今川監督次回作も頼みますよ!

Arado2 Arado3 「スラップアップパーティー -アラド戦記-」…NEXONのオンラインRPG「アラド戦記」のアニメ化作品で、アニメ制作はGK ENTERTAINMENTとGONZOです。この作品が放映している最中にGONZOが上場廃止となったため事実上この作品がキー局で放映されたGONZO制作アニメ最後の作品となります。そんなこの「アラド戦記」が放映された第1話では、作画も演出もとても古くさく、80年代のような雰囲気を醸し出していたので正直面白いとは言い難い微妙な作品でした。

 RPGのアニメなのにバトルシーンもしょぼくて、原画や動画のほとんどを韓国に委託していたようで作画もあまり良くなかったんですが、この作品最後はなんだかんだでうまく終わらせて、第1話の複線を終盤でちゃんと回収したので思っていたよりはイイ作品でした。さらに最後の最後に前期のオープニングが流れたときはベタながら非常に良かったです。あと主題歌に関しては後期のエンディング曲の作曲がSaGaシリーズで有名な伊藤賢治が作曲していてなんか妙にカッコイイエンディングでした。そしてしゃべる杖の役でつぶやきシローが声優として出ていたりして妙なところで凝っていたような気がします。

 原作ファンが視聴していたかどうかは分かりませんが原作を知っている人なら予想以上に楽しめた作品かもしれません。そんなかんじがしたGONZO最後のキー局放映作品でした。

Yattarman Yattarman1 「ヤッターマン」…タツノコプロのタイムボカンシリーズ2作目のアニメ「ヤッターマン」の33年ぶりとなるリメイク作品で、アニメ制作はタツノコプロです。当時自分は子供の頃早朝に放映していた再放送を見ていたので今回のリメイクの第1話ももちろん見ていました。第1話は見た目こそ現代風で、オープニングの主題歌の歌手が山本まさゆきではありませんでしたが初期のアレンジだったため非常に懐かしかったです。

 33年前の作品のリメイクなため主要キャラの声優は昔と変わっていますが、ドロンボー3人組の声優が当時と全く一緒で、なおかつ山寺宏一がヤッターメカ全てとナレーションまで一人でこなしていたので素晴らしい演技力でした。あと今回のヤッターマンはパロディ色が強く、歴代タツノコ作品に加え芸能人も多数ゲストで出ていたり、終盤ではメカデザイナーの大河原邦夫氏に直接ドロンボーメカを送ってきてもらったりとなかなか面白かったです。

Yattarman2_2 そして終盤は公式でも発表されていたとおり完結編として描かれていて、ドロンボーメカが活躍しつつドクロベエが復活とまさに最終回らしい展開になりつつ、なんと最終話のオープニングは地上波限定として33年前の第1期初期のオープニングの音源を使用という憎い演出に続き、今週のビックリドッキリメカではこれまでの思い出を見させるという懐かしい演出のオンパレードでした。そして最後にスタッフロールと一緒にドロンボー歴代の歴史紹介というまたさらに懐かしくなる映像が続き、そしてついに解散…の流れに。

 個人的に俺たちの戦いはこれからだENDは嫌いですが、この作品に至ってはいつまでも馬鹿やっていてほしいと思いますね。そう思わせるような最後のニセ予告でした。現在DVD版がシリーズで出ているので見逃してしまった方はそちらでぜひ視聴してみてください。

Asatarou Asatarou1 「ねぎぼうずのあさたろう」…福音館書店から刊行されている飯野和好の絵本シリーズ「ねぎぼうずのあさたろう」のアニメ化作品で、アニメ制作は東映アニメーションです。朝6:30からの放映ということでかなり早起きしないと見られない作品ですが、野菜や果物を擬人化したコミカルな見た目で子供向け作品に見えますが、物語の本質は古き良き時代の時代劇の内容に近いため見た目よりかなりしっかり作られている良作です。

 主人公のあさたろうが生き別れた父を探すために東海道五十三次を渡る旅に出て、そこから旅仲間が加わったり仲間ができたりしつつ、盗賊集団もろこし天狗党や悪党、宿敵と戦うなどといったベタだけど毎回1話完結で非常に痛快時代劇な作品でした。そしてオープニングでは弾き語りで始まり、「参上!ぴゅるっとあさたろう」が流れてテンション上がってくるのも非常にイイ演出です。

 最終決戦は3話くらい続いた話で、もろこし天狗党との最後の戦いが繰り広げられていましたが、そこで親子の和解などのお約束ながら感動的な話もあり、最後の戦いではラストに相応しく劇場版なみの動きまくりの熱い1対1の激しい戦いが繰り広げられていました。そして東海道五十三次の旅が終わりつつ、俺たちの戦いはこれからだENDで終わりましたが終わってみればこれはこれで小気味よい作品でした。見た目とは裏腹に全体的に完成度の高い良作で、個人的にもっと続けてほしかったですね。