2009年秋・アニメ最終回の感想文その1

2009-09-18 11:24:03 | 2009年夏アニメ関連

 いよいよ今期もこの季節がやってまいりました。次の季節のアニメ感想文が来年になってしまうため実質今回の感想文が今年最後となります。そろそろ今年のアニメの4分の3近くが終わり今年全てのアニメが出そろってきました。今回はフジテレビ深夜アニメ枠「NOISE」の最終作「青い花」と深夜アニメ枠「ノイタミナ」の新作「東京マグニチュード8.0」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。 

Sweetblueflower3 Sweetblueflower4 「青い花」…マンガ・エロティクス・エフで連載されている志村貴子の漫画「青い花」のアニメ化作品で、アニメ制作はJ.C.STAFFです。フジテレビ水曜深夜アニメ枠「NOISE」の新作ということで個人的に期待しつつ第1話を視聴してみたときは、丁寧な作画に加え雰囲気の作り方が絶妙でなおかつオープニングとエンディング曲も秀逸と非常に素晴らしい出来だったため2009年夏アニメの中で屈指の作品でした。

 作品のジャンルが百合もの…すなわちガールズラブが題材のため見る人を選ぶような印象を受けましたが、実際のところはそういう直接的なエロ描写はほとんど無いため思っていたよりマイルドで、女性同士の健全?な恋愛作品といったところです。それに普通の男女の恋愛もありました。

 この作品ではヒロインの一人あーちゃんこと奥平あきらが非常に素直で純粋な性格だったため人気が高く、恋愛関係のもつれが最初から何も無かったためこのヒロインが作品最後の良心とか言われていました。それに対してあの方のドロドロっぷりはもう…最初はそんな印象受けませんでしたがまさかあそこまでこじれるとは予想してませんでした。そして全11話のため案外短くあっさりと終わってしまったので個人的にはもうちょっとやってほしかったですね。

 作画も最初から最後まで安定していたし、音楽も主題歌だけでなくBGMも作品の雰囲気に合っていて良かったし、キャラクターもヒロインの他に杉本姉妹が非常に魅力的で良かったし全体的に素晴らしい作品だったと思います。そしてフジテレビ水曜深夜アニメ枠「NOISE」の作品はこれで終了っぽく非常に残念。またアニメ枠を復活させてほしいですね。

Tokyomagnitude4 Tokyomagnitude3_2 「東京マグニチュード8.0」…もし東京で大地震が起きたらどうなるか?というテーマを元に作られたフジテレビ水曜深夜アニメ枠「ノイタミナ」のオリジナルアニメで、アニメ制作はボンズとキネマシトラスです。リアリティーを重視するため自衛隊や有識者に取材をし、建築物についても徹底的にリサーチを行ったらしくかなり気合いの入った制作だったようで、「ノイタミナ」史上1位の視聴率5.8%を叩きだした第1話では主人公姉弟がお台場にロボット展を見に行っていたそのときに巨大地震が発生…といったかんじでした。

 このアニメが放映されていたときに静岡でマグニチュード6.9の地震が発生したため「フジテレビのテコ入れキタ」とか言われていたりしましたが、序盤では主人公の小野沢未来の性格が自分勝手でかなり悪く、弟の悠貴が対照的に非常に優しい性格をしていたため姉の人気が全くありませんでした。この2人と一緒に家に帰ろうとしていた日下部真理は子持ちの落ち着いたかんじの女性だったため萌え要素が無く、キャラクターの人気という点では弟の悠貴の一人勝ちでした。あ、でも4話のう○こ回で姉の人気?は上がったかもしれません。

 まぁキャラ人気より大事なのはもちろんアニメの内容ですが、リアリティー重視なだけあって地震直後お台場では液状化現象が起きたり断続的に続く余震により次々と倒壊する建物、避難民が多すぎたことによる将棋倒しなど実際に起きたら冷や汗ものの出来事が多く、なかなか緊張する展開が続いていました。それらのシーンは教訓になったと思います。

 しかしこの作品、致命的にやってしまったことは後半に夢オチな鬱展開を2回か3回やってしまったことによりどれが現実か視聴者にも分からなくなり、ネタバレになるからあまり書きませんがファンタジー要素が入りすぎて後半以降は全然リアルじゃありませんでした。他のキャラの死亡フラグも複数回見させられて結局何も無かったとかもあり視聴者は振り回されっぱなしでした。他には地震直撃食らったはずのお台場のフジテレビがほとんど無傷だったのでその点も視聴者から突っ込まれていましたが、あれはやっぱりフジテレビから「耐震強度十分あるから壊すな」とか言われていたようですね。そうならそうで「フジテレビは丈夫だから平気」となり作品中で言って欲しかったです。

 ボンズ制作なだけあって背景の作画はハンパじゃなかったし、主題歌も良かったですがやっぱりファンタジー展開が尾を引きすぎて終盤は何とも思えませんでした。でもラストシーンの音楽とあの携帯のところはなかなか良かったと思います。あと老夫婦の回で夫が「私が代わってやりたかった。」のシーンは結構心にくるものがありました。

 そして毎週次回予告に登場していた滝川クリステルは最初だけ話題になりましたが、別に必要無かったと思います。「ノイタミナ」枠は地雷と良作がループする法則があると言われていますが、やはり今回もその法則は破れなかったか…と個人的には思いました。