Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

冒険者たち

2023-10-18 | 映画(は行)


◼️「冒険者たち/Les Aventuriers」(1967年・フランス)

監督=ロベール・アンリコ
主演=アラン・ドロン リノ・ヴァンチュラ ジョアンナ・シムカス

アラン・ドロンは飛行機乗り、リノ・ヴァンチュラはカーエンジニア、ジョアンナ・シムカスはアーティスト。それぞれの夢を持ちながら破れた3人は、アフリカの海に沈んだまま見つかっていない財宝の話を耳にする。それぞれの理想を実現するために、お宝を探し当てようとする。映画前半は彼らに起こった出来事がテンポよく、というかダイジェストかと思うくらいの編集で示される。

もともとジョゼ・ジョバンニの原作はノワール調のお話らしいが、この映画はフランス映画独特の男2人+女1人の素敵な三角関係が心に残って、青春映画としてカテゴライズされることもしばしば。

ヒロインのレティシアに恋している2人だが、彼女をめぐって激しく争うこともない。理想的?かどうかは疑問だが、良好な関係であることは間違いない。こうした三角関係が出てくるフランス映画は、ヒロインを退場させがち(ネタバレ?💦)。「突然炎のごとく」にしても、パトリス・ルコントの「イヴァンヌの香り」(めちゃくちゃ好き♡)にしても。呆然として遺されるのは男二人。

でも、「冒険者たち」はちょっと違う。彼女がいなくなった後の二人の姿がきちんと示される。彼らにとってレティシアがどれだけ大切な存在だったのかが、最後の最後まで描かれるのだ。クライマックスで悪党どもが要塞島にやって来て銃撃戦になっても、それが見せ場だと思えない。それすらレティシアに対する思いを込めた最期の台詞に導くための通過点なエピソードに過ぎない。普通なら虚無感でいっぱいになるはずのラストシーンだが、レティシアの記憶が男たちにもスクリーンのこっち側の僕らにも、美しい残像として残されるのだ。それを未練と言うなかれ。

そして、ジョアンナ・シムカスの面影はフランソワ・ド・ルーべの美しい音楽と共にある。






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2 コメント

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Good! (mats)
2023-10-18 19:35:50
アランドロンは「太陽がいっぱい」「若者のすべて」もいいけど「冒険者たち」も良いですね。
ラストシーン 
「彼女が本当に好きだったのは、お前だ」
「このウソつきめ!」
そして、ジョアンナ・シムカスの瑞々しさに恋した!
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Unknown (tak)
2023-10-19 06:19:09
matsさん
このラストの台詞、シビれますよね。
そして音楽がすっごく心に残ります😌
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