ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

破滅

2011-12-19 07:43:13 | 時事(海外)
ついにこの日がやって来た。

とうとう金正日が亡くなった。享年69歳であった。

亡くなったのは17日で列車の中だとか視察中だとか言われているが、あの国の
ことなので、真実はわからない。もしかすると療養中の身にも関わらず調子に
乗り、ちょっと飲み過ぎでしまい、ポックリだったということも考えられる。

まぁ、いずれにしても、死んでしまったわけである。

思えば18歳の時に偶然、読んだ「凍土の共和国」という本でかの国に興味を覚
えてから、どれだけ北朝鮮についての本を読んだだろう。当時は拉致や核問題
も未だなく、今ほど北に関する情報自体がなかった。また、当時は韓国が軍事
政権だったこともあり、今では考えられないが、北を擁護する本まで存在した。

それが金正日の父親である金日成が亡くなったころからだろうか、徐々に北に
関する本が出始めて、今でいう批判本のようなものも次々に出版された。
その後は、脱北者や亡命者、また近親者らが書いた本が雨後の筍のように出され、
中には噂話の類のような内容のものもあったが、それでも多くの人が北朝鮮という
国を知るようになった。

もっとも、どれほど北の本を読んでも、金正日個人に関するものはあまりなく、
ほとんど皆、抽象的な内容のものばかりで、はっきりした人物像や性格を捉え
たものは、ほとんどなかった。

結局、彼は人民の前で一度も演説もしなかったし、人民代表会議の場でもひとこと
も発言することなく亡くなった。一時はアホだからなどと言われていたが、結して
そうではなく、表に出ないのは、そのほうがカリスマ性を高める、という理由であ
りこの辺は戦前の日本の天皇統治を真似たとも言われている、

金親子の統治方法は、旧日本軍や様々な独裁者の統治手段を少しずつマネることに
よって出来得たもので、結してオリジナルではなかった。しかし、この方法よって
かつては中国の天安門やソ連崩壊、東欧の民主化、そして今年の中東の民主化運動
をことごとく乗り切っている。

見方によれば、この金親子の実践した恐怖の統治方法は、独裁者がもっとも手本と
すべきものだと言えるわけで、将来どこかの国に登場するだろう未来の独裁者の良
きマニュアルとして参考とされてもおかしくないと思われる。

仮に独裁者という業種があり、これまでに存在した数ある独裁者がそれぞれ会社だ
と見立てて格付けを行なえば、金親子の北朝鮮は間違いなくトリプルAをあげてもい
いほどの安定感があった。先ごろ亡くなったカダフィー率いるリビアも昨年までは、
北朝鮮に近いダブルA程度の安定感はあったものの、今年に入り一気に値崩れし、
最後は独裁者の末路を地でいってしまった。おそらく将軍様はこれを見て、どんなに
強固に体制維持に努めても、一度崩れ始めればどうしようもないのだと思い知った
に違いない。

しかし、彼は、カダフィーほどアホではなかった。その証拠に、常に自分は嫌われて
いることを知っていたし、そう思っていたそうである。また、カダフィーのように
最後に民衆に袋たたきにされずに済んだだけでも、幸運だと言える。

まぁ、今頃、将軍様は父親と一緒に天国ではなく地獄で苦しんでいるに違いないが、
今度は息子がその悪行を継承するわけである。

うまくいくかどうかはまったくの未知数だが、うまくいかなければ、朝鮮民主主義人
民共和国という国が消滅し韓国に吸収される可能性もあるし、はたまた中国が介入し
、一時的に中国支配下による国として存続し続けることもあるかもしれない。

いずれにしても、継承する息子には破滅しかないような気がしている。




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