忘却への扉

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戦争は問題解決の最後の間違い

2014-08-30 | 共に
 
《 第1次大戦「参戦」100年 》 【 集団的自衛権の教訓忘れずに 】 2014/8/23 地方紙「社説」より
 [「おまちかねの舞台はいよいよ今日から開幕」 ―。五輪か何かと見まがうような文言は、100年前、愛媛新聞の前身「海南新聞」の1面に躍った、第1次世界大戦を伝える見出しである。
 戦争とは、かくも気楽に始まったのか。31カ国が人類史上初の「総力戦」を4年余も繰り広げ、千数百万人の死者を出した惨禍を思うにつけ、当初の浮かれた雰囲気に強い衝撃を覚えるとともに、深い悔恨の念に堪えない。
 1914年のきょう、日本は日英同盟に基きドイツに宣戦布告。7月から始まっていた大戦に参戦した。
 日本は、ドイツが植民地支配していた中国の青島や南洋諸島を攻略。地中海に艦隊を派遣、300人以上の戦死者も出したが、ほとんどの日本人は悲惨な実態を知らぬまま勝利に沸いた。メディアもむしろ国力を高める好機とはやし立てる節が見える。「日本愈々(いよいよ)戦争のお仲間入り!」(海南新聞8月10日)「日独開戦!血湧き肉躍る其の第一声を聞け!!」(同25日) …。
 今こそ、こんどこそ、歴史の手痛い教訓に真摯(しんし)に学ばねばならない。第1次大戦は、わずか20年余り後の第2次大戦も防げなかった。その過ちを二度と繰り返さぬよう、不戦の誓いを新たにしたい。
 とりわけ忘れてはならない教訓は、日本が大戦に加担した直接の理由が、日英同盟という現在の「集団的自衛権」にあった点である。
 集団的自衛権とは、同盟国と共同して第三国を攻撃し、また防御するために結ぶ軍事同盟で、他国防衛を目的とした「参戦の制度」でもある。100年前も「大いに英を援(たす)けん」(同3日)と、進んで加わった気配がうかがえる。
 にもかかわらず、安倍政権は節目の今年、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定。自衛隊の海外での武力行使に道を開いた。
 「抑止力」は「威圧力」。他国に警戒心を与え、直接敵対関係にはない国とも戦争を強いられる可能性もある。行使容認は国民を守るどころか危険にさらす暴挙であり、重ねて強く撤回を求めたい。
 また安倍晋三首相は、1月、スイス・ダボス会議での会見で、日中関係を第1次大戦前の英独関係に例えた。今年というタイミングでの負の歴史を持ちだせば不用意、軽率とのそしりは免れまい。世界が不穏な今こそ、日本の振る舞いにも慎重さが求められる。
 オーストリアのフィッシャー大統領は6月、サラエボでの平和式典で「戦争は問題解決の最後の手段ではなく、最後の間違いだ」と述べた。間違いを黙って見過ごし、知らぬ間にまた戦争に引きずり込まれないよう、歴史の愚かさをあらためて胸に刻みたい。]

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