忘却への扉

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大声に

2005-02-23 | 共に
 青年時代に、高齢や耳の遠い人と仕事をすることが長く続いた。伝えるために大きな声で話していたら、何時の間にか普段の声も大きくなっていた。
 それ以前は小さな声でも聞こえる人がほとんどで、大きい声の必要はめったに無かった。子供同士遊んでいる時か、山仕事中の母や祖父母の居場所確認に使ったくらいだ。
 あの頃、私のことばがみんなに届いていたのかと、今になって気になる。テレビの無い時代だ。自然の中での会話がほとんどだったから、いま考えるより大きめで話していたのかも知れない。会話をお互い大事にしていた。

 歳を取ると能力も反応も鈍くなってくる。小さい声や早口が、聞き取れないことがある。言葉が理解できなかったり、忘れたりもある。わからなくて聞き返すと煩わしそう。
 分からないままなることもある。少し大きな声でゆっくりとか、相手によって声の出し方を変える気配りがあったらと思う。これからも相手に伝わる声や話し方を意識したい。ただ声が大きくなって不便なこともある。内緒話しに無理を感じるのだ。
 

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