忘却への扉

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一途(いちず)に前進

2016-12-05 | 日々

 夜、妻の運転で坂道を下っていた。人家の並ぶところまで来ると、車が止まる。どうしたのかと思えば、車のすぐ前、ライトに照らされているのは猫 ?違う、ぴんと立てた長い耳は、親の野ウサギ。
 だめだよ、交通妨害は。クラクションを鳴らせば騒音で住民に迷惑をかける。野ウサギは動かず、車体の陰に隠れ視界に入らないだけ。アクセルを少し余分に踏み込み驚かす作戦。真ん前を走り出すので後を追う形。
 だが、数㍍走ると休憩する。どうやら今のウサギたち「うさぎとかめ」のおとぎ話も聞いて育っていないようだ。脇道に果樹園や人家の庭、幾らでも逃げ場所はあるのだけれど、ウサギはライトで明るい道路を走ることにこだわる。
 私たちが急いでいるなど分からないだろうが、数㍍走っての休憩はやめてほしい。山育ちのウサギさん、交通安全教育は受けていない。
 「車を止めなければ(うさぎは)死んどる」と妻。冷や冷やしながら、100㍍余。ようやく平地の県道とのT字路まで下り、野ウサギは右に車は左にと別れ、ほっとした。少し走った車道に、犬と散歩する知人を見かけた。野ウサギ本能的に、この犬の存在を察知した?とすればすごい。
 ウサギにイタチ、タヌキとハクビシンにイノシシほか。望んでいるわけではないが、人間も暮らす動物園と化した。タヌキとハクビシン、イノシシにヒヨドリは、地域にとっていまや害獣・害鳥の部類。 


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