まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

父の具合

2017-07-10 | 暮らし

物知りで、川柳をつくったり、随筆を書いたりしていた父はすっかり、何の気力もなくなった。寝たきり状態になってから、みるみる弱っていくのが分かる。

これは、仕方ないことだというが、わたしは過去に何回も入院して思ったのは、身動きできない状態でベットにいるのは三日と持たない。病院の白い天井と壁を見ながらただひたすら寝るという事の辛さ。癌の手術の後、麻酔が醒めたら一晩でトイレへ行けるようになって、今の医学は素晴らしいと思ったものだ。年を取ったからと言って、動かないのは当たり前のようにいわれたらきついなあと思う。父も「はよ、お迎えが来んかなあ。」と、言う。TVも、ラジオも気力がないと観ないし、耳が遠いと聴くこともできない。

唯一、タブレットの写真を喜んでくれる。特に、自分の幼い頃杉の水にいたせいか、富士写ケ岳に登ったことや、職場の仲間と県民の森へ行った写真を見せると喜ぶ。深田久弥の話は自ら話す。先日行った前山の「山の茜をかえりみて・・・」の画像を見せると、すらすらと読んだ。

キャンプファイヤーを焚いて、みんなでケビンでお泊り。夏休み前の平日は誰もいないので、飲めや歌えやの楽しいひと時だった。

職場の皆の写っているのを見て、「いいとこ(職場)へ行ったんなぁ。みんなに可愛がられて、良かったんなぁ。」と、この年になっても娘として心配してくれることに涙が出そうになる。

口の悪い先輩は「みんなをいじめとるって言わなかったん?」などと言いつつ「親の面倒を看るのは大変やね。」と、言ってくれた。週2、3回しか見舞いに行っていないので、一番大変なのは母親なのである。ほぼ毎日のように行っている。そして、父は母にはわがままを言う。わたしの顔を見るとひたすら喜ぶだけなのに。