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【製造業こそ最重要】「モノ作り」を忘れたヨーロッパのたそがれ①

2013-05-07 00:04:03 | ヨーロッパ

 「尾っぽ(金融)が犬(実体経済)を振り回す」などと揶揄されることがある現在の世界経済―――。

 たしかに最近の(残念ながら?日銀を含む)主要中央銀行の金融緩和策(政策金利引き下げやマネタリーベースの拡大など)を見ていると、マーケットにばら撒いたマネーで株や不動産の価値を底上げするという「資産効果」でバブルを生み出し、それによって消費などの実体経済を刺激しようという、まさに「犬を動かすには尾っぽから」といった金融主導型の経済政策が全盛期を迎えているな、といった印象を受けます。

 しかし、しょせんバブルはバブル。永遠に価値が上がり続ける資産があるはずもなく、緩和マネーが生み出した足元の資産バブルもいつかははじけ、結局は金融危機が発生するでしょう。これがリセッションや失業の増加といった実体経済の危機を引き起こします。そしてインフレ(通貨価値の下落)やデモや暴動で市民社会の安定が脅かされるようになって、ようやく人々は金融という「麻薬」に過剰に依存したことを深く後悔する・・・。つい最近、こんな光景をどこかで見たような気がしますが(いまも見ているけど)、いまふたたび、この危険な金融依存症に世界経済がいっそう深く侵されていくように思えてなりません。

 やはり、経済の基本は「実体経済だと思います。わたしたちの市民社会は実体のあるモノやサービスのやりとりで成り立っています。これらのやりとりをベースに、それぞれの国は、原則、自分の力量の範囲(経常収支がつり合う範囲)で国民経済を運営することになります。ここで注意しなければならないのは、過剰な借金(=経常赤字)をして身の丈をはるかに超えた「ぜいたく」をすることがないよう、自分を律しなければならないということ。もし「いまより豊かになりたい!」と願うのなら、そのぶん、もっと働いて稼ぐ必要があります。つまり、モノやサービスの質を高めて売り上げ(輸出)を増やしつつ、一方で「ぜいたく品」などの輸入による浪費を抑え、「豊かさ」の源泉となる利益(=経常黒字)を得るために努力しなければなりません。厳しいようですが、これが世界経済の実体面における現実だと思っています。

 さて、そんな現在の実体経済で国家を最も発展・繁栄させることのできる産業分野は何でしょうか?

 意外にシンプル(?)なことに、2つしかない、というのが私の個人的見解です。それは、「鉱業(石油・ガスを含む)」と「製造業」。世界の主だった経常黒字国をみると、いずれの国々も鉱業か製造業のいずれかでその黒字を生み出しているからです。

 このうち前者については、いうまでもなく自国が天然資源に恵まれたか否かという、いわば天運に左右されるもので、一部(サウジアラビアやクウェート等の産油国や、ロシア、オーストラリア、カナダなどの国々)を除いて、たいていの国は「鉱業立国」になれるものではありません(もっともオーストラリアなどは経常赤字国ですが・・・)。

 したがって、大多数の国々は後者、つまり「モノ作り」で国家振興を図ろうということになります。その代表格であり、その成功例が、わが国であるわけですね。

(続く)


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