世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【3年間で2割超も上がった電気代】高騰電気代:アベノミクスの優等生②

2014-04-15 00:04:59 | 日本

(前回からの続き)

 前回、リフレ政策」(意図的に円安インフレを起こす政策)を推進している安倍政権・黒田日銀は、企業物価や消費者物価の押し上げに大いに寄与している輸入エネルギーの円建て価格の上昇をポジティブに捉える立場にある、と書きました。その意味で、値上がりが続く各種エネルギー料金のなかで、国民の経済活動や日常生活に与える影響がもっとも広い範囲に及ぶ「電気」の料金は、物価上昇への貢献度が大きいアベノミクス第一の「孝行息子」―――そんなふうに考えています。

 その電気料金ですが、2011年の東日本大震災以降のこの3年間で全国平均で2割以上も上がりました。東京電力の電気料金に至っては26%(2011/2→2014/2)もの上げ幅です。で、こちらの記事に書いたように、その値上がりは「2段ロケット」構造になっています。1段目は「原発停止」をふまえた料金改定によるもの。そして2段目は上記の輸入燃料費の増加にともなう燃料費調整額(燃調額)の上昇によるものです。

 わが国の大手10電力会社のうち東電を含む6社はすでに電気料金の本格値上げに踏み切っています。ここでいう「本格値上げ」とは経産省への申請・認可を経て実施されるもの。これらはいずれも上記の1段目、つまり原発停止にともない、火力発電所の焚き増しが必要になったことによる燃料コストの高まりに対応するものです。

 次に上記の2段目ですが、これは航空運輸業界の「燃油サーチャージ」と同じく、毎月の輸入燃料代の価格変動を電気代に織り込むもの。アベノミクス開始以来の円安誘導により、石油やLNGの円建て輸入価格が膨らんでいることから、この燃調額は最近、全国的に上昇トレンドを描いています。すでに本格値上げを実施済みの電力会社6社はともかく、まだ値上げを行っていない残り4社の料金もじりじりと上がっていますが、これはこの燃調額の上昇のためです。これまた先の同記事でご紹介のとおり、東電の場合、去年から今年にかけての電気料金の値上がりは、この燃調額の高まりが主因となっています。

 そんなこんなで高騰を続けるわが国の電気料金ですが、ここへきてもう一段、上昇しそうな気配となってきました。電力会社の一部が本格値上げに踏み出そうとしているからです。昨年9月に値上げした北海道電力はこの2月、再値上げの検討を表明したほか、先日は中部電力が震災後初めての値上げ(平均4.95%)を申請しました。その理由は、電力会社(そして政府・経産省)が目論んでいた原発再稼働の時期が見通せないこと、そして、もはや毎月の燃調額では賄いきれないくらい燃料費がかさんで各社の収支が悪化していること・・・。というわけで、わたしたち電気のユーザーにとってはさらなる経費削減とか節電が必須となりそうですね・・・。

 一方、この状況はアベノミクスには「追い風」といえるでしょう。繰り返しになりますが、政府・日銀が実現を願うインフレは実質的に電気料金をはじめとするエネルギーコストの上昇によって引き起こされているからです。なので、チャンス到来です! 「電気代のさらなる引き上げで確実にインフレ率2%を達成だ!」とばかりに、安倍政権は電力会社の値上げ申請に対して「満額回答」をする気だろう、と予想していたわけですが・・・。

(続く)


金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【輸入燃料代の高騰を喜ぶ?... | トップ | 【料金の値上申請で矛盾が露... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事