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アップルの快進撃は続くのか②

2012-07-17 00:01:18 | アメリカ

(前回からの続き)

 そんなスマホ市場で生き残っていくためには、やはりどのスマホにも使われる基幹部品のシェアを確保することが重要となるでしょう。そうすればどのメーカーが覇権を握っても(あるいはそのメーカーに取って代わって他のメーカーがトップに立とうとも)、スマホが作られる限り注文が入り、着実に収益を上げることができます。

 すでに日本のメーカーの多くがこうした戦略を取っています。わが国の大手企業だけでなく多くの中小のメーカーまでもが、世界的なスマホブームに乗って売り上げを伸ばしています。スマホに使われるDRAM(エルピーダなど)、フラッシュメモリー(東芝など)、液晶パネル(シャープなど)、コンデンサー(ルビコンなど)などの基幹部品の多くは(一部は大半が)日本製。さらに一部の独特な仕様のスマホのボディー製造などにも日本企業の高い技術が活かされています。

 たしかにスマホの完成品となると日本勢は価格面で不利な戦いを強いられますが、一方で上記のようなパーツ類の開発・製造・販売でしっかりと高い世界シェアを確保し、利益を上げているのは頼もしい限りだし賢明だと思います。わが国の主要な輸出品の多くが最終消費財から中間財・資本財に移っている様子がこうしたことからも窺えますスマホを含むあらゆるハイテク製品の重要部材の研究開発や製造分野において、今後も日本企業が高い技術力と創造性を発揮して世界をリードしていくことを期待したいですね。

 ところでアップルはハード面の独自技術をほとんど持っていないといわれます。半導体を内製しているわけでも液晶パネルを自社で開発しているわけでもありません。そうした意味では、アップルは、「アップル」というブランドイメージ、つまりアイディアやデザインが価値を生み出している会社ということができるでしょう。

 そんなアップルですが、7月中旬時点のNY株式市場における時価総額は43兆円あまり(1ドル80円換算)と、エクソンモービルや中国のペトロチャイナなどを抑えて何と世界第1位です。アップルの株主は、アップルの持つブランドイメージに、世界最大のオイルメジャー以上の評価を与えているということでしょうか(うーん・・・)。

 その真価はこれから判明するでしょう。スマホやタブレットなどのように覇者の栄枯盛衰が激しい分野で、技術力抜きのアイディア勝負だけで、世界一の会社・アップルがどこまでこの企業価値を伸ばしていくことができるのか、注目されます。

(「アップルの快進撃は続くのか」おわり)

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