世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

日銀に空しく滞留する金融緩和マネー

2012-07-05 00:01:52 | 日本

 日銀によると、各金融機関が日銀に開設している当座預金残高が高レベルに達しています(下のグラフ)。先月26日には43兆4900億円と過去最高を更新しました(これまでの最高残高は、東日本大震災後に日銀が大量の資金を供給した2011年3月24日の約42.5兆円)。

 この要因となっているのは、やはり日銀による金融緩和でしょう。2月以降、日銀は金融機関から大量の国債を買い入れて資金を供給していますが、金融機関のほうはその資金の多くをもてあまし、やむを得ず日銀の当座預金に預けている様子が窺われます。

 2ヶ月前の5月初旬、当ブログの「日銀の金融緩和は万能策にあらず」で次のように書きました。

(引用はじめ)---------------
 さて、今回の日銀の追加緩和が実体経済のほうに与える影響はどうでしょうか。結論からいうと景気へのポジティブな効果は期待薄と思います。

 本来、経済低成長時の金融緩和の目的は、低金利の資金を市場に供給して企業の設備投資等を促すことで景気に刺激を与えようとするものです。ところが、以前にもここに書いたように、わが国は長年にわたって需要不足が続いていて、企業には新しい資金ニーズがないため、こうした効果はほとんど期待できません

 また民間金融機関にとっても、企業への貸し出しが増えないなか、日銀に国債を引き受けてもらって得た現金の運用先に悩んでしまうはずです。多くの場合、外債などのリスク資産は敬遠され、結局、ふたたび日本国債が買われることになるでしょう。

 といったわけで、緩和マネーは金融市場をぐるぐる循環するだけで、実需を喚起するなどの景気活性化の効果をもたらしてくれそうにありません。
---------------(引用おわり)

 ほとんど金利のつかない日銀の当座預金に積み上がった巨額の資金は、まさに上記の表れといえるでしょう。つまり日銀の金融緩和策が本来の狙い通りに機能していないということです。さらなる金融緩和をしても、この預金残高が増えるばかりなのではないでしょうか。

 それにしても、これほどの余剰資金を空しく滞留させておくのは実にもったいないな、と感じます。民間企業がこのお金を借りようとしないのなら、かわりに政府が借り入れて内需拡大策に活用したらどうでしょう。政府がその気になって建設国債などを発行すれば十分な引き合いがあるはずなのに、と思うのですが・・・。

(「日銀に空しく滞留する金融緩和マネー」おわり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする