前に「歩くまち」を標榜する京都を批判しましたが、その際に四条通の交通規制がクルマよりもバスやタクシーに影響が出ると指摘しました。
超満員でろくに乗れないバスを待つか、鉄道駅まで延々と歩くかしかなく、健常者にしか「おいでやす」とほほ笑まない異常な政策になってしまっている現在の政策ですが、10月1日からまた妙な政策の社会実験を始めたようです。
JR京都駅烏丸口で、タクシーの客待ち渋滞が深刻になっているとして、空車タクシーの乗り入れを8時から20時までの間全面禁止したのです。
烏丸口のタクシー乗り場に来るのは京都駅で客を降ろしたタクシーだけ、という徹底ぶりですが、実験初日、秋の観光シーズンの土曜日とあって、10時過ぎにはタクシー乗り場に100人を超える長い列が出来て、一時規制を解除して対応したとのことです。
もうここまで来ると「正気の沙汰」という言葉がまず頭に思い浮かぶわけで、駅のタクシー乗り場においてはまず需要があるというのに、駅に来るタクシーの数次第で供給が決まるというシステム自体がありえません。100人超の行列となると、10秒に1台が来ても1人1台なら16分かかります。これはそれこそ潤沢に空車があって捌く数ですから、降車するタクシーが来てから、という話だといったい何時間待たされるのか。
これから秋の観光シーズン本番とあって、休日どころか平日も相当な観光客が集中しますが、こんな状態で耐えられるのかどうか。206系統のバス待ちとタクシー待ちの行列が烏丸口の広場を埋めつくさないことを祈るのみです。

(2つの乗り場で206系統、急行100系統と臨時系統で捌いても行列が消えない:2007年12月)
それにしても鉄道網が不十分、バスは輸送力不足、という京都においては、タクシーへの依存度が高いのですが、それが使えないのではどうしたらいいのか。
もうこうなると「交通」というものは何のためにあるのかを履き違えた政策であり、「歩くまち」なんて気取らずに、「ガタガタ言わずに歩け!」とでも言ってくれた方がすっきりします。

(清水寺のあたりでは乗るのも一苦労:2011年1月)
今出川通、四条通、そして今回の京都駅烏丸口と、ものの見事に企画唐黷ノなっているのに、なんかやけになって目的と手段を取り違えてでも「結果」を手にしたいという歪んだものを感じると言ったら言い過ぎでしょうか。

(バス、タクシーが便利だって?:2007年4月頃はこんな宣伝をしていたんですけどね)
クルマが悪い、公共交通を使うべきだ、と美辞麗句を重ねても、そもそも「利用者の移動需要」にどう応えるのか、という原点を忘れてはいけないという好例だと言えます。
【訂正・補遺】
この社会実験ですが、京都市主導ではなく、業界団体とJR西日本が主体とのことです。
だから「歩くまち京都」は京都市主導だから正しい、という結論は早計で、こういう「実験」が罷り通るのは、やはり京都市の責任も大きいと言えます。
京都市に調整能力があるのであれば、今回の社会実験に対して何らかの「指導」はしているでしょうし、子供でも分かるような結果になったということは、市のベクトルも業界と大差がなかったということでしょう。
実験は10日間の予定を短縮することになるようですが、何とも不細工な結果です。
超満員でろくに乗れないバスを待つか、鉄道駅まで延々と歩くかしかなく、健常者にしか「おいでやす」とほほ笑まない異常な政策になってしまっている現在の政策ですが、10月1日からまた妙な政策の社会実験を始めたようです。
JR京都駅烏丸口で、タクシーの客待ち渋滞が深刻になっているとして、空車タクシーの乗り入れを8時から20時までの間全面禁止したのです。
烏丸口のタクシー乗り場に来るのは京都駅で客を降ろしたタクシーだけ、という徹底ぶりですが、実験初日、秋の観光シーズンの土曜日とあって、10時過ぎにはタクシー乗り場に100人を超える長い列が出来て、一時規制を解除して対応したとのことです。
もうここまで来ると「正気の沙汰」という言葉がまず頭に思い浮かぶわけで、駅のタクシー乗り場においてはまず需要があるというのに、駅に来るタクシーの数次第で供給が決まるというシステム自体がありえません。100人超の行列となると、10秒に1台が来ても1人1台なら16分かかります。これはそれこそ潤沢に空車があって捌く数ですから、降車するタクシーが来てから、という話だといったい何時間待たされるのか。
これから秋の観光シーズン本番とあって、休日どころか平日も相当な観光客が集中しますが、こんな状態で耐えられるのかどうか。206系統のバス待ちとタクシー待ちの行列が烏丸口の広場を埋めつくさないことを祈るのみです。

(2つの乗り場で206系統、急行100系統と臨時系統で捌いても行列が消えない:2007年12月)
それにしても鉄道網が不十分、バスは輸送力不足、という京都においては、タクシーへの依存度が高いのですが、それが使えないのではどうしたらいいのか。
もうこうなると「交通」というものは何のためにあるのかを履き違えた政策であり、「歩くまち」なんて気取らずに、「ガタガタ言わずに歩け!」とでも言ってくれた方がすっきりします。

(清水寺のあたりでは乗るのも一苦労:2011年1月)
今出川通、四条通、そして今回の京都駅烏丸口と、ものの見事に企画唐黷ノなっているのに、なんかやけになって目的と手段を取り違えてでも「結果」を手にしたいという歪んだものを感じると言ったら言い過ぎでしょうか。

(バス、タクシーが便利だって?:2007年4月頃はこんな宣伝をしていたんですけどね)
クルマが悪い、公共交通を使うべきだ、と美辞麗句を重ねても、そもそも「利用者の移動需要」にどう応えるのか、という原点を忘れてはいけないという好例だと言えます。
【訂正・補遺】
この社会実験ですが、京都市主導ではなく、業界団体とJR西日本が主体とのことです。
だから「歩くまち京都」は京都市主導だから正しい、という結論は早計で、こういう「実験」が罷り通るのは、やはり京都市の責任も大きいと言えます。
京都市に調整能力があるのであれば、今回の社会実験に対して何らかの「指導」はしているでしょうし、子供でも分かるような結果になったということは、市のベクトルも業界と大差がなかったということでしょう。
実験は10日間の予定を短縮することになるようですが、何とも不細工な結果です。