Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

イージス艦事故が示すもの

2008-02-21 17:54:46 | 交通
イージス艦の衝突事故は海自側の説明が二転三転することもあって心証が非常に悪くなっています。それにしても電子機器の塊、多数のターゲットを同時に処理できると言う素晴らしい性能というイメージなのに、水上艦相手は普通のレーダーだけと言うのが本当だとすると「おいおい」という感じです。

今回のようなケースで、もし漁船を装った不審船の類だったら「命中」していたわけです。
爆装したモーターボートで大型艦船に突っ込む、という作戦は他ならぬ日本が大戦末期に特攻兵器「震洋」で実施しているわけで、商船ならいざ知らず、軍艦がぶつかってしまったというのは、「テロ警戒中」の国家の軍隊としてはお粗末でしょう。




さて、海自の不手際などはともかくとして、今回の事故は単に海自を叩けばいいという話ではありません。

野島崎沖というと東京湾に向かう超主要航路であり、航行量が非常に多いことはいうまでもありません。イージス艦はその航路を横須賀に向かっており、漁船の集団は勝浦から伊豆諸島ですから航路に乗ると言うよりは航路を横断する格好でした。

航路は陸路や空路と違い、立体交差というものがありません。ですから主要国道や高速道路に相当する航路であっても総て平面交差になります。瀬戸内海のように沿岸航路が主要航路で、それを本四間などの航路が横断するケースでは、来島海峡などを中心に事故が多いのも、平面交差と言う航路の特性から来るものでしょう。

航路の場合、平面交差で、しかも「交差点」が特定されておらず、信号もありません。ですから各船がルールに従って自己の判断で交差するしかありません。
そのため東京湾など交通輻輳地帯では水先案内人の乗船や先導船が船種によっては要求されるくらいです。

そういう前提を踏まえて今回の事故を考えて見ましょう。
超大型船も航行する航路を横断する時、ルールでは自船優先であったとしても、それを絶対視して相手が避けると言う前提で航行するのはどうなんでしょうか。
特に今回のケースでは、確かに最終的に衝突した漁船を回避するだけならイージス艦が適切な時期に面舵を切っていれば良かった話ですが、実は僚船がイージス艦の右舷、左舷の両側にいたわけです。

早い段階で回頭をしたら、今度は僚船との衝突の危険性が生じるわけで、単純に面舵、取舵を切れば良いとはいえない、そうなると航路上に残る形の直進もあながち間違いではないのです。
そして最後の最後は後退をかけて停止を試みたわけですが、両舷いずれの回避もリスクがある場合、航路を航海中の船舶が、横断する船舶に停止させられる、という結果になるわけです。

今回は8千トンクラスのイージス艦でしたが、数万トン、数十万トンクラスの商船だったらどうでしょう。進路を塞ぐ格好で横断する行為に問題はないのか。日本海海戦で東郷平八郎が採った「T字戦法」はまさにこういう隊形で、進路を抑えられたバルチック艦隊は連合艦隊と並行する形の同航戦に誘導され、壊滅したわけです。

確かに回避義務を負うのはイージス艦であり、その点において責任を免れることはありません。
しかし、航路の進行と横断において、内海の航路について規定している海上交通安全法だと、航路を進行中の船舶の進路を妨害してはならないとあるように、航行量が多い海域では「航路」航行中の船舶優先というルールもあるわけで、同法の適用がないが航行量が多い「航路」に関してのルールの不備が招いた事故ともいえます。


やるせなや...

2008-02-20 23:45:10 | 交通
さてこのところ文字通り東奔西走する機会が多いのですが、深夜割引の拡充、新名神の開通にもならない時期にクルマで往復もしました。

その時に東名の某PAで見かけた看板です。



軽食堂の裏手にあたる場所で、野良猫が多いのでしょうか。
ドライバーがついついエサを与えてしまうのでしょう。

しかし、見渡してみつけたもう一つの看板には愕然です。



餌をねだる猫がみんなそうとは思いたくありませんが、無体なことをする人が少なくないということなんでしょう。

神戸空港2周年

2008-02-20 23:38:12 | 交通
この16日に神戸空港は2周年を迎えました。
ちょうどこの週末に羽田往復で利用したんですが、イベント真っ盛りで、手狭と感じるようになったターミナルビルは利用客に加えイベント目当ての来場者で混み合っていました。

以前劇場版のウルトラマンメビウスで、初代ウルトラマンの変身前が神戸空港長という設定だった縁なのか、2周年セレモニーとして初代ウルトラマンを一日空港長に任命してましたが、そのウルトラマンとの握手会会場となった展望デッキは子供連れで長蛇の列となっていました。



さて、羽田行きのスカイマークは飛んでましたが、札幌行きが軒並み欠航です。
大雪とのことで、羽田行きのあとに飛ぶ予定のANAはとりあえず天候チェック後、旭川か羽田に変更承知で搭乗を始めていました。



ところが翌日新聞を見てびっくり。その新千歳でJAL機と管制塔の通信ミスによるインシデントです。
確かに大雪で滑走路を1本しか使ってなかったという事情はあるのでしょうが、そこにこのインシデントというのが欠航の引き金になった可能性は否定できません。

神戸では「大雪」としか言っていなかっただけに、当該便に乗る予定だった人はこのニュースを見てどう思うでしょうか。よしんばこのインシデントと欠航が無関係だったとしても、タイミングが悪く、航空各社はキチンと説明しないと、痛くもない腹を探られるかもしれません。



記事へのリンク消失のご報告

2008-02-13 11:36:27 | お知らせ
10月にPCがクラッシュして買い換えた話をしましたが、その時にサイト関係や写真のバックアップはあったのですが、一部については消失しました。

サイトのバックアップは10月に入ってからの更新分について無かったため、サイトを逆にダウンロードしてバックアップに入れたんですが、そうした作業の中で、10月2日に最終更新した「90年前の未成線」という作品も対象となっていました。

作品自体はバックアップをとったんですが、「今昔物語」の表紙からのリンクが「旧バージョン」のままになってしまっているバージョンがバックアップになってました。
そこに1月、成田新高速関係の作品をアップした際、旧バージョンに上書きした格好になったため、「90年前の未成線」はネット上にはあるが、どこからもアクセスできない状態になっていました。

今回ようやくそれに気付き、救出しましたので、お詫び方々ご報告申し上げます。

ようやく逮捕

2008-02-08 16:42:45 | 時事
時津風部屋の事件、ようやく元親方と兄弟子が逮捕されました。

発生から7ヶ月、発覚からも半年が経つわけで、初動の不手際もありますが、遅きに失した逮捕です。
メディアはなぜか「急死事件」という感じでマイルドに表現して来ましたが、逮捕者を出したと言うことは「急死」ではなく「傷害致死」事件であり、正しく報道して欲しいものです。

しかし、関係者の感度の鈍さには驚きます。
今朝の朝日新聞では、正しい意味での「かわいがり」につき、分かり易く解説してあり、まがいなりにも格闘技の世界、見た目はボロボロでも意味がある行動であることを説明しています。

そういう説明をしたうえで、一線を越えたというよりも似て非なる行動だったと指摘すればいいだけなのに、理事長はまだ事態の重大さを飲み込めていないのか、逮捕者が出て遺憾とか体面論と取られても仕方がない発言をしてますし、相撲上がりのタレントもまだこういった「しごきもどき」を肯定してます。

そういえばこの事件が発覚した当時、逮捕された親方(当時)は、犠牲者が常々ワルだったとコメントしたり、遺体を勝手に荼毘に付そうとしていたわけで、「事故」ではなく「事件」として逮捕された現在、当時のそういう言動、行動も再検証する必要があるでしょう。