Straphangers’ Room2022

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次の都知事をめぐる暗澹

2016-05-15 17:00:00 | 時事
東京都知事の公金横領疑惑は、「事務処理ミス」ということで幕引きを図っていますが、そんな子供の言い訳のような回答で通るとでも思っているのでしょうか。豪華外遊や公用車での別荘通いはまだ意識の問題や解釈の余地がありましたが、私的費用の付け替えはアウトです。メディアの中には外遊に比べるとつましい内容だとかピント外れの擁護を口走るコメンテータもいますが、巨額の外遊費用は許される可能性もありますが、私的費用の流用は1円でもアウトです。公費の費目違いと、そもそも請求してはいけない費用では性格がまったく違います。

年金問題で過去に流用した役人を、その組織のトップでありながら反省より前に泥棒呼ばわりして牢屋に入れと言っていたご本人が、トップ自らの流用についてはミスでした、テヘッ、で済ませる気なのか。権力の甘い汁はよほど甘いと見えますが、それにしてもあの発言から10年も経たないでこれではあきれ返って物も言えません。

さて、さすがに窮地に立っていることは誰の目にも明らかなんですが、事ここに至ると、「次」が取り沙汰されてきます。そうなると、前回の知事選の候補者の面々を並べ立てて、都知事批判もいいけど、じゃあ共産知事でもいいの?とか言い出して、暗に批判を戒める動きが目に付きます。

確かに主要候補だけ見ても現知事のほかは、共産系、「殿」に先日政治資金の杜撰な管理で逮捕された元航空幕僚長という面々では、1995年の青島知事誕生の悪夢が過ぎるのもわかります。
しかし一方で、現知事を担いだのは政権与党であり、首都のガバナーに斯様な人材を担いだ責任が問われる一方で、責任ある候補者の擁立は政権与党としての義務でしょう。政権与党がまともな候補者を擁立できないのであれば、有権者(首都として、都民だけでなく全国の)に対する裏切りです。まともな候補者がいないことを懸念する前に、まともな候補者を出すことを促すのが有権者の「圧力」であり、現知事を叩くなというのはお門違いです。

もっとも、新聞辞令では頭を抱える動きしか出てこないわけで、都民を、そして国民を政権与党は馬鹿にしているのか。前の大阪市長の名前が挙がるにいたっては、2万%ありえない事態であり、汗をかかない、苦しくなったら逃げ出して新しい敵を作って誤魔化すという、安物の改革屋が首都のガバナーとは書くだけでもおぞましい話です。

まあ前回選挙でも改革屋のシンボルが反原発、脱原発を訴えて「殿」を擁立して票を集めていましたし、前大阪市長が「闇将軍」として支配する政党に、元祖改革屋とでも言うべき政党の元代表が合流するという流れを見ると、政権与党が対応を間違えると、改革屋の知事が誕生し、引っ掻き回して都政を混迷の極に陥れる懸念が強まります。
そう、改革屋がガバナーになれば、かつての美濃部知事に匹敵する「弊害」として歴史に名を残すでしょうね。

それにしても、まともな候補を擁立できない政権与党も大概ですが、国民も改革屋に何回騙されたら目が覚めるんでしょうね。口当たり、耳あたりの良いことだけ言って、汗はかかない、苦しくなったら敵を作って攻撃して目をそらさせる。要は改革を泥臭く全うさせることはせず、というか、出来ないから途中で誤魔化して逃げ出す。破綻寸前で逃げ出して同じ手口で小金持ちを騙すネズミ講の残党と手口は一緒です。そういう意味では小金持ちが何回も騙されるのと同様、有権者も改革屋に何回も騙されるのでしょうが。

改革を全うするのではなく、自分がのし上がるのが目的なんですよ。あるいは自分や仲間への利権の付け替え。
今回知事候補に名前が挙がっている前大阪市長は前者の典型で、政令市があって権力、権勢を振るえないとみるや府知事から市長に鞍替えし、中央に名前を売ったら国政に転じようとしたわけです。つまみ食いされた府や市の「改革」はどうなったのか。強引な手法で反訴されて負け続けたツケを払っているのが現実です。今回合流した元祖改革政党の元代表もその一種です。
ちなみに前回の知事選で「殿」を担いだ改革屋のシンボルは後者で、既得権益ガー、と叫びながら、お仲間、お友達の政商が甘い汁を吸っているわけです。既存体制をぶっ壊す、というのは甘い汁を吸うために邪魔になる旧体制をぶっ壊すということでした。

おそらく、政権与党は前回も名前が挙がった元ニュースキャスターのような、ちょっとインテリが入った知名度頼みのタレント候補を探すに留まるでしょうし、あるいは一発逆転を狙って中堅の女性議員を候補にするのでしょうか。
野党は左派系が共産候補に相乗りして、右派系が改革屋を推す。うまくいけば三つ巴で、おそらく与党候補と改革屋の一騎討ちでしょうか。

政権与党が大臣、党三役クラスの「大物」を担ぎ出して「本格政権」を打ち出せば話は別ですが、そもそもそんな人材が枯渇しているのが今の政界だけに期待できませんが。



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