Straphangers’ Room2022

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JRE新型改札機の表示は「欠陥」である

2016-05-15 16:05:00 | 交通
JR東日本が導入した新型改札機の残額等の表示箇所が手前過ぎて見えないと言う批判が導入当初から絶えません。
これについてネットでも議論になっていますが、どうも「故意に」あの位置にした、と言う推測もでています。

手前にあるモニターで確認できるように改札機にタッチする、という「癖を付ける」目的があるとか、奥まで行かないことでエラー発生時のリカバリーがやりやすくなり、結果としての滞留時間が減る、と言う理由です。

しかしそもそもそういうメリットが大きいのであれば、他社はなぜ導入しないのか。あの表示方法はJR東日本の特許や実用新案なので真似出来ないのです、と言うことはないわけで、同じように新型にリプレースしたJR東日本以外の各社で奥に表示をしなくなった例は無いのです。

もっともらしい理由として、奥にあった当時は前の人のデータが良く見えており、個人情報の問題、極端なケースではチャージが多いICカードをひったくる被害も懸念される、と言うのまで出てきています。
しかし実際に利用していればわかるように、手前のモニターに前の人のデータが表示されるのを目にするわけで、どっちも目にするのであれば、自分のデータが見づらくなった新型のほうがメリットが小さいわけでしょう。

会社の入館証のようにタッチ→開く、という単純な作動であればモニターを見るというような動作は不要です。
しかし交通系ICカードの場合、通過の可否だけでなく、引き落とし金額の確認と言う動作が必ず必要になります。つまり、モニターを適時適切に見れないと意味が無いわけで、そこに難がある新型改札機のデザインは問題、と言う単純な結論しかないはずです。

実は改札機は多種多様なメッセージを発信しており、モニターをいちいち見なくても大丈夫、ということになっています。定期券利用とチャージ引き落としでは「ピッ」の回数が違うとか、チャージの残額や有効期限が一定の限界を超えたら鳴り方が変わるといった機能ですが、そんな符牒をいちいち覚えないといけないものなのか。それこそモニターを見れば済む話です。

交通系ICカードでその場その場でのモニター確認がなぜ必要なのか。
要は引き落とし金額におけるエラーが多いからにほかなりません。紙のきっぷのルールのほか、ICカード特有の計算方法もあり、紙より相当安いケースもある中で、正しく引き落とされたのかを確認しないと、1回で数百円の損になることもあります。

入場記録エラーも多発していますが、上記のような特殊な計算は入場記録で経路を見分けるケースも多く、そのあわせ技で遠くのノンラッチ駅経由となって損をさせられてしまうリスクがあるのです。
こうしたエラーの発生頻度は、機械やシステムに通常発生する頻度とかけ離れて多いわけで、そういうシステムを導入しておきながらエラーの確認ができないと言うのは論外です。

そもそも奥の表示に前の人の残高が、と言うのであれば、次のタッチ(あるいは磁気券挿入)と同時に表示をクリアすればいいだけです。次の人がタッチ可能、すなわち進入可能なタイミングでなお奥のモニターにたどり着けない、と言うケースはよほどのことであり、まず無いと見ていいでしょう。
あるいは自分の残高は改札機中央部に表示する。見やすいように斜めに向けて表示すると言った工夫も有効でしょう。

外国の改札機やビルの入退場ゲートのように、細身のスリムな改札機を賞賛する向きも少なくないですが、このエラーの問題が多発する限り、モニターを適切な位置に設置しないと利用者の不利益が増えそうです。



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