Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

給水を巡る「ご飯論法」

2019-10-17 23:39:00 | 震災・災害
今回の19号でも停電や断水などの被害が相次ぎましたが、断水というと給水車の手配ですが、それを巡りひと悶着ありました。

神奈川県山北町が、隣接する静岡県側の陸自連絡を取り合い、いざ断水となった時点で自衛隊が出動したところ、神奈川県からの要請がないからと給水車による給水支援にストップがかかり、6時間後にやってきた県手配の給水車によりようやく給水が始まりました。

今そこにある水が使えないという理不尽な状況でしたが、神奈川県側は自衛隊との交渉は県の仕事であり、山北町が勝手にしたのが気にくわなかったのでしょう。一方山北町は県西部の外れということもあり、県東部にある横浜市の県庁の判断には温度差があると日頃から感じているのでしょう、県西部への配慮をと特に訴えたわけで、結局県知事が謝罪しています。

なんとも縦割りというか、善意をあだで返すような県のやり口ですが、まあ県知事が謝罪して落ち着きを取り戻したとはいえ、昨今の災害では季節にもよりますが断水というのは一番厳しいわけで、それへの対応でこのザマは問題過ぎました。

ところがこの問題で、ネット界隈の一部におかしな動きがみられます。
あたかもこの報道が「フェイク」だという書き込みが拡散されているのです。
実はこの問題を最初に報じたのはタブロイド紙のニュースサイトですが、自衛隊の給水車が無駄になって水を捨てたという趣獅フ報道になっており、水はきちんと持ち帰って使っていますという反論がなされていました。

それが全体をフェイクニュースだという書き込みはどういう趣獅ネのか。
ニュース全体がフェイクだとすれば、神奈川県はこんな無慈悲な行動はしていない、ということになるわけで、フェイクとして拡散する動きはこうした「誤認」を招く行動です。

もちろん水を捨てたということは誤報ですが、自衛隊の給水車を使わせなかったという本件の根幹に虚偽はなく、だからこそ県知事が謝罪しているのです。
結局これは有名な「ご飯論法」であり、「水は捨てていない!フェイクだ!!」と確かに正しい主張ですが、一部の相違をもって全体を否定してしまうのは、悪意を感じますね。


よほど悔しいのか

2019-10-17 23:24:00 | 震災・災害
台風19号で猛威を振るった水害は、治水の大切さとハード面の充実がやはり最後はモノを言うということを痛いほど思い知らす結果になっています。堤防の決壊というどうしようもない現象が目立ちましたが、だからといって不要ということはないわけですし、堤防の強度などを検証しないといけません。
いわんや溢水被害では多摩川の無堤地帯に代表されるように、ハードがない箇所をどうする、という論点が首都の一角ですら残っていたわけですから。

今回はダムの緊急放流が一つの焦点になりました。西日本豪雨での運用で下流域に被害を出したことから広く事前に周知するようになりましたが、流域への警告のほか、全国レベルで切迫しているというアナウンス効果を得ることができたわけです。一方で上流域に有力な治水ダムがない阿武隈川や千曲川や、計画中止が目立つ那珂川での水害が目立つのは単なる偶然なのか。ギリギリの操作でしのぎ切った相模川の対応がまさに「治」水でしょう。

このように、治水がうまくいった河川でも実際には綱渡りだったわけです。あるいは多摩川や利根川のように本流でも何らかの溢水被害を出しているわけです。しかしそれは「治水」によって抑制された結果としての被害規模であり、ハードが不要ということはありえません。極端な話、破堤してもそこに至るまでの時間が稼げれば、ハードの整備には意味があったのです。

そう考えた時、ハーバービジネスオンラインなるネットメディアの「因縁」は目に余ります。
試験湛水に取り鰍ゥっていた八ッ場ダムがぶっつけ本番でフル貯水させて治水に寄与したという鮮やかな成果がよほど気に食わないのか、八ッ場の成果を称賛する動きに対して「幼稚な翼賛デマ」と言い切っています。

わずかな時間で満水になったから集水面積に対して貯水能力が低いとか、集中豪雨で一気に満水というのは四国の渇水でおなじみの早明浦ダムでもよく見る、それまで貯水率に一喜一憂していたのが一気に満水、という毎度の光景を思えば、当たり前の話であり、これだけの集中豪雨を一気に受け止めた能力の高さを評価することはあっても、否定するというのはそれこそ治水も何も知らない無知無能な論評であり、ヘソが茶を沸かすという評価はそっくりそのままお返しするのが妥当でしょう。

それでも貯水出来た事実は否定できないので、「たまたま」の僥倖に過ぎないという噴飯ものの評価をするに至っては、哀れにも程がある悲惨な論評です。どこをどうやったらこんな惨めな論評が書けるのか、と見たら、それでも工博というから恐れ入ります。

ただ勤務先大学と衝突して解雇とか、専門は分子反応論とか、専門外のジャンルに、さらに民主党政権時代の建設中止への批判に対して「安倍政権親衛隊」とレッテルを張るイデオロギーまみれのスタンスとか、これが新聞紙上だったら便所紙以上の役にも立たないような哀れなデマゴーグです。翼賛デマと殴りつけておいて、自分がデマを振りまいている壮大なブーメランは、さすが民主党を批判されて発狂するだけあって民主党のお家撃・セしています。



インチキプレゼンの果てに

2019-10-17 23:18:00 | 時事
IOCが東京五輪のマラソンと競歩を札幌開催に振り替える提案をして、組織委との間では合意したと報じられています。
もうこうなるとなんというインチキプレゼンで開催をもぎ取ったのか、という話になりますね。
コンパクト、なにそれ? 気候がいい、なにそれ? コンペの決め手になった条件が総崩れですよ。しかもやむを得ない事情変更ではなく、虚偽のプレゼンと言われても文句は言えないレベルです。

札幌の気候を数字だけ見て決めたんでしょうが、北海道は「内地」が盛夏の頃に結構雨が降り、水害も発生しているんですよね。あるいは猛暑の発生もあるわけで、「内地」のように猛暑酷暑の経験が乏しいがゆえに、逆に用意がないリスクは考えたのか。

もし本決まりなら、代表選出の条件も異なってきますし、施設の確保、そして最大の問題が宿泊施設や交通の確保。特定の日だけとはいえ輸送力が逼迫している快速「エアメ[ト」の輸送力をどう増やすのか。
ホテルはどうするのか。五輪を避けて影響がなさそうな北海道での開催にしたイベントもあるでしょうに、それはどうするのか。「内地」との移動は空路にほぼ頼り切る中で、台風その他の交通障害リスクは決して小さくないですし。

今から準備可能な都市などないから今更返上はできないし、だからといって棄権者続出で済めばまだマシという過酷な環境で競技をさせるわけにもいかない。米国のテレビ利権に配慮しすぎたことでのこのザマであり、JOCや組織委側も「今更無理です」と主張すべきでしょう。どうしてもというのであれば秋、10月にずらす。チケットが発売済みとはいえ、個人レベルなら対応可能でしょう。設備はあるんだし、社会全体のスケジュールもまだこれからというケースが多いでしょう。

それでも米国のテレビ利権が最優先、ということであれば、8月に開催可能な都市に限定する、という話にすべきでしょう。そして今回のインチキプレゼンを二度と起こさないように、プレゼンの内容を精査する。
日本開催が世界に「負のレガシー」を残すことになりそうです。