庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

炭素税の創設こそが財源に最適。なのに、マスコミ界は。

2010-03-20 | 環境問題
「温暖化対策税」の創設は、何度も提案され、政府(環境省)も進めていたが、経済界の旧産業と経済産業省の族議員が、時の政権に働きかけて、何度もお蔵入りをさせて来た。
1990年代の初めから、欧州の一部の国では、【炭素税】の呼び名で、化石燃料にかける税金の制度は実施されている。
日本に導入を提案する環境団体や学識者が働きかけても、産業界の力の方が当時は圧倒的に強く、政権は何時も産業界の方ばかりを向いていた。

今度の鳩山政権は、地球環境対策には目玉政策として前向きであり、今度こそ、日本に適した【炭素税】の仕組みを創り上げるべきである。
経済界の反対意見は何時も同じである。
化石燃料への課税が、エネルギー多消費型輸出産業(鉄鋼、非鉄金属、など)の生産コストを上昇させ、国際競争力を弱めるから、日本の経済にとってマイナスの効果しかない。と。
それに加えて、各種製品のコストがあがり、物価の上昇は国民生活の負担となっていく。
だから、反対だ!と庶民の味方の様な発言をしている。

この言い分に沿って、日本政府は化石燃料に対する課税の強化は、一切避けてきた。
結果は、輸出型産業を過剰に重視して、内需産業をおろそかにしたために、今回のアメリカのバブル崩壊による世界経済不況の影響も、世界で一番、こうむってしまった。
おまけに、10年以上にわたる内需の不振で、デフレ経済が延々と続いている。
もう少し物価は上がる方が、経済にとっても国民にとっても良いと言える状況である。

この国際競争力を損なうという言い分に対しては、相応の対策案は各種あって、実行可能なものばかりである。
その中で、国境調整と言う方法があり、これは経済学者の中では常識であるが、世の中には、あまり知られていない。
国内消費税は、輸出する時には税率分の5%を払い戻して、その分は輸出先の国に輸入した時に、
相手国の消費税に当たる税金を払う仕組みである。
同じように【炭素税】も、製品にかかった「炭素税によるコスト増分」を申告させて、輸出する時点で払い戻しをすれば良い。

日本の経団連は、消費税のアップの必要性は認めていて、反対は一切していない。
むしろ、早く消費税を上げて、政府の財政赤字を減らして、経済への不安を払しょくして欲しいといっている。
それなのに、【炭素税】の創設となると、頑固に反対し続けている。
旧産業の経済界の言い分に染まっている、労働組合系も反対の姿勢が強い。
これは、いったい、どういうことなのか、私には理解できないことである。

マスコミ界においても、この【炭素税】(環境税と言う呼び方もされる)については、経済界の偏った言い分ばかりを記事に載せて、まともな経済学者(宇沢弘文氏ら)の説明を載せていない。
財源不足の批判ばかりよりも、まともな財源案の説明をしっかりすべきである。(以下、次回)

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