庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

将来の暮らしの安心はバイオマスエネルギーの自給率向上で。

2009-10-25 | バイオ燃料・バイオマス
日本のエネルギーに自給率が10%をはるかに下回っていて、大半を不安定な価格の化石燃料に頼っていることは経済全体への悪影響だけでなく、国民の不安を増加させている大きな要因となっている。
これからの「新産業である再生可能エネルギー」の分野に、積極的に集中投資をしていけば、エネルギーの自給率を50%以上に引き上げることは可能である。
その中でもバイオマスエネルギーの分野が、まだまだ技術的にも事業性の面においても取り組みが不足していて、その成果を予測するには、未知数の分野が多いことが、懸念を生んでいる。

専門家の研究者や事業家で取り組んでいる人は、まだわずかであるし、政府関係者には「バイオマスエネルギー」の将来性を、本気で検討している人はほとんどいない。
国家戦略室(将来は、国家戦略局)ができれば、そのような長期的な国家の安全と国民の安心を実現するための基本となる戦略を立てて、「新産業」の核となる技術・事業を育成することになるであろうが、今までの自民党政権があまりにもだらしがなかったから、取り戻すのは大変である。

それでも、エネルギー自給率を50%以上に引きあげる方策・手段は見えている。
後は実行に移すプロセスと制度ができることを目指せば良いのであるから、困難な課題ではない。
むしろ、それにとどまらずに、将来的には100%のエネルギー自給を達成し、その技術を世界中に広めることで日本の貢献を打ち出さなければ、本当の価値を生み出したことにならない。

その最優力な技術手段として、「藻類」を海面で栽培・養殖して、輸送機器(自動車、航空機・船舶)の燃料として利用することを、日本の基本的な国策に取り込む必要性を書いてきた。
読者の中には、「藻類」のような下等生物を利用する「ローテクノロジー」ではなくて、もっと高度の知識を利用、開発して「ハイテクノロジー」を駆使した方が、将来性があるのではないかと、思う人もいるであろう。

しかし、人々の要求はハイテクもローテクも関係ないのである。
生活を豊かにして安心できる毎日の暮らしと、将来の不安を取り除いてくれることを望んでいる。
そして、生活の基本になる雇用の安定と必要な収入を保証してくれることが最大の要求である。
もちろん、再生可能エネルギーの開発には、「ハイテクノロジー」を駆使する分野もあるが、
「バイオマスエネルギー」の分野は、むしろハイテクは一部で良いし、ほとんどの部分は人々の直接の労働による地道な仕事の組み合わせで実現できるシステムである。

「藻類」の海面栽培と収穫の技術や、収穫した藻類から効率的に燃料のもとになる油性成分を抽出するには、適切な技術開発が必要であろう。
これらの技術は既存の装置の中で、十分に実績のある確実な方法を取り入れるのがよい。
ハイテク技術は、往々にして特殊な環境が必要であったり、高度のメンテナンスが必要であったりして、生産コストが高価格なってしまう懸念がある。

政府関係の支援機関は、高度の技術がないと支援に値しないと思い込む弊害があり、いたずらに難しい実現性の薄い技術に入れ込む傾向があって、失敗例が多く税金の無駄使いになっている。
成功する技術の基本はシンプルで、悪環境にも耐える頑健な働き馬の素質が一番適している。

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