庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

エネルギー戦略の意思入れで温暖化対策や新成長戦略へ。

2010-02-25 | 経済問題
経済の活性化が第一に要望されている。
その対策として、脱化石燃料への転換による新産業の育成が、経済成長や雇用の創出に有効に働くことが実績でも示されている。
しかし、相変わらず「温室効果ガスの排出削減」は、経済活動の足を引っ張る規制になるから、
反対すると言う、旧時代の発想から抜けられない産業人が多い。
これは、産業活動の基盤となる「エネルギー政策」に対する、中長期的な国益を考えた、基本方針が定まっていないことにも原因がある。

日本のエネルギー政策は、旧政権時代には、原子力族と化石燃料業界の利益を代弁してきた、経済産業省のお手盛り審議会で「中長期のエネルギーの需給変動見通し」を決めてきただけである。
これでは「温室効果ガスの排出削減」を、国家目標とする新政権の方針とは、まったく合わない。
それなのに、新政権はエネルギー政策の中長期のエネルギー基本計画を、官僚任せの経済産業省の所管から、一歩も踏み出ていないで、国家戦略室の意思を入れることがなかった。
遂に、『エネルギー戦略なくして、温暖化対策や新成長戦略が描けない』ことに、やっと気がついた。
お粗末な事態と言わざるを得ない事態が起こっている。
以下に報道された状況を引用しておきます。

 2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するという政府の中期目標達成に向けた具体策「ロードマップ(行程表)」の取りまとめ時期が、当初予定の3月末から先送りする見通しとなった。
国内排出量取引制度や地球温暖化対策税(環境税)の創設などをめぐって、関連省庁間の調整が難航しているためで、小沢鋭仁環境相は同日の閣議後会見で、経済産業省が6月の閣議決定に向けて検討を始めたエネルギー基本計画に歩調を合わせる考えを示し、3月中の取りまとめを事実上、断念した。
 行程表は、政府が今国会に提出する「地球温暖化対策基本法案(仮称)」に合わせて、温室効果ガス削減の具体策を網羅するもの。温暖化対策の事務局となる環境省は3月末の取りまとめに向けて、石油などの化石燃料に課税する環境税と、温室ガス排出量に上限を設定して排出枠を超える余剰分を取引する 「キャップ・アンド・トレード方式」の排出量取引制度の創設などを盛り込んだ試案を17日の与党政策会議に示した。
ただ、この試案に対して他省庁は「十分な制度設計の検討もされておらず拙速」(経産省幹部)などと反発。
政府が6月にまとめる新成長戦略や、30年までの政策進路を定めるエネルギー基本計画などとも「齟齬(そご)が生じか ねない」(直嶋正行経産相)との懸念が強まっていた。
 このため、先行して行程表を策定し、温室効果ガス削減の政策論議を主導する意欲をみせていた小沢環境相も、他省庁に配慮する柔軟姿勢に転換。特に温暖化対策と大きな関連を持つエネルギー基本計画の内容を無視できないと判断したもようだ。(サンケイビズ2010.2.24)


環境省と環境大臣の「温暖化対策」を所管している責任感は必要としても、一省庁の権限を超えた規制を議論しなければならないのだから、早々に、国家戦略室での役割に移して、全閣僚の権限を統括する首相が、大ナタを振るう覚悟がなければ出来ないであろう。

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