庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

環境立国を目指すという潮流のなかで、偽物の事業が横行する時代に入っている。

2010-02-24 | 森林・林業
環境立国を目指すという潮流のなかで、偽物の事業が横行する時代に入っている。
燃費の悪い大型の高級車が、エコ減税の対象になるなどは、だれにも解りやすい「偽物優遇」であるが、原子力発電の推進などは、「低炭素社会」に名を借りた悪質な偽物事業で、派手に宣伝している。

では、本物の環境事業はどのようなものがあるのか。
これについては、このブログで何度も触れてきたので、大筋は理解されていると思いますが、森林問題と林業の再生については、本物の事業であるにも関わらず、理解がすすんでいない。
本日の朝日新聞(朝刊3面)にも、「地殻変動」として、「森林維持管理から産業へ」の表題で、現状を伝えている。

鳩山内閣がうちだした「森林・林業再生プラン」の会合で、林業政策を仕切ってきた林野庁や森林組合の幹部に対して、「林業は成長戦略の柱だ。
産業として実現するには現状での安住は許されない」とくぎを刺し、「ゼロベースで総括して、良かれと思って作った制度に縛られない」と言う方針を打ち出している。
今までの林政は、森林の維持管理が中心で、産業として重視されず、ただ、維持経費を使う管理事業であった。

温室効果ガスの削減義務では、森林吸収源を対象に維持管理すれば、削減したとみなされる。
京都議定書の発効後は、手入れ遅れの人工林を対象に、間伐などの作業への補助金が大幅に増額されたが、林業従事者の不足もあって、切り捨て作業にとどまり、伐採した樹木は捨てられたままである。
これらの伐採樹木を利用して、2020年には木材の自給率を24%から50%に高めることが目標となっている。
だが、林野庁のトップが再生プランを作成しても、具体策は殆ど提示されていない。

国家戦略室を率いて林業再生の旗振りをしてきた、管直人(現在は財務相)副総理は、「林業再生は、明治維新と同じだ」との認識である。
日本の国土に放置されている森林資源を生かせば、外国の輸入材に頼っている需要を国内材で賄うようにできて、雇用の拡大が100万人規模で、出来る様になる。
また、捨てられている間伐材や、端材を林地から運びだして、エネルギーへの活用を図れば、エネルギー自給率(現状で4%、原子力を自給エネルギーとしても19%)を10%以上引き上げることが出来る。

しかし、農水省や林野庁の官僚では、現状維持の考え方しか、発想が出てこない。
特にエネルギー面への活用は、今までは、経済産業省の所管であって、一切、研究開発も、制度の構築もしてこなかった。
林業の先進国は、森林の維持と林業の産業化、そして、木質バイオマスのエネルギー利用は、国の一体となった政策で、立派に新産業として、成長している。
政治家でも、このような状況が解っている人は少なく、民主党でも10人くらいという段階である。
まして、自民党の不勉強の政治家では、何もしてこなかった実績が証明している様に、コンクリートばかりに目を向けていた。

まだ、造り足りないとあちこちで言い続けている。

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