庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

国内政治の面で国際交渉におけるカンクン合意を重視して進めよ。

2010-12-12 | 国創り政治問題
メキシコ・カンクンで開かれていた国連気候変動枠組み条約締約国会議[COP16]が、新たな対策の骨格を「カンクン合意」として採択した。
主要な各新聞には、トップ記事で扱われているので、読者諸氏は、すでに内容をご存じだと思います。
アメリカや中国、インドなどの、削減義務を負っていない国にも、一定の削減を初めて求める内容で、主要排出国が参加する新しい国際体制の始まりである。

削減目標の数値が甘い上に、法的拘束力がないということで、批判する国や勢力が多くあるが、その様なナイモノねだり的な不満は残してでも、一歩前に進んだことは確かである。
長年に渡って、地球気候変動問題に取り組んできた「国際NGO」のメンバーからは、ここ5年の間でもっとも成果のある決議が出された、として大きく評価している。

京都議定書の延長を求める途上国やEUの域内事情優先の思惑から、日本に大きな負担のかかる
圧力が会議の前からでて、日本は苦しい立場に立たされる場面があった。
しかし会議の冒頭において、日本の姿勢を鮮明にした演説によって、大きな批判を受けたが、これがかえって、今回の妥結に貢献したと言える。
姿勢をあいまいにしたまま、国際会議に臨むのが常であった日本の、いつにない強硬な毅然とした態度は、会議の進展に危機感をもたらし、妥結を図る必要性を植え付けた。

また、議長国のメキシコ外務大臣は、前回の失敗(一部の主要国だけで、採択案を秘密会議で作り上げて提示したことで、多くの国が反発した。)を繰り返さない様に、各国の意向を丁寧に、かつ透明性のある会議だけに絞って、合意できる接点を詰めて行った。
これが最後には、納得できる進め方の上で、各国の妥協策を引き出すことに成功した。

これから得られる教訓を繰り返すと
「譲れない線を明確に相手に伝えること。態度をあいまいにして駆け引きと思われる愚はしない。」
「妥協できる線を、着実に言い分を引き出し、透明な場での折衝に限って丁寧に実行する。」
「最終的には、権限を使って毅然とした姿勢で裁断する。」
これが、[COP16]の採択決議を生み出した土壌である。

【カンクン合意】は、今後の国際政治、経済の場面で大きな影響が出てくるであろう。
来年の[COP17](南アフリカ)までに、日本政府のやるべき事は山積みにある。

日本の「菅君」は、あらゆる課題で態度をあいまいにし、秘密裏な裏舞台での折衝を続けて、
双方に不信感を持たれて不満だらけの状態になっている。
民主党の公約である「温暖化対策基本法案」は、前鳩山内閣のときに衆議院で可決している。
何をモタモタと9カ月もタナザラシにしているのか、毅然とした態度に欠けること著しい。

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