安倍政権の「エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーの導入目標を具体的に示さないで、最大限、加速していく、としている。
民主党政権が策定した「再生可能エネルギー電力の導入目標は2030年に約2割」としていたが、それを上回る水準の導入量と曖昧にしている。
大震災で被災した岩手県は、2020年には「電力需要の35%を再生可能エネルギーで賄う」という目標を掲げて、国よりもはるかに積極的な取組を開始した。
福島県では県内の原子力発電はすべて廃炉にすることを国と東電に求めている。
2040年頃までに福島県内のすべてのエネルギー需要を再生可能エネルギーにすることをビジョンに掲げている。
国の「エネルギー基本計画」においても、「福島再生のため必要なすべての課題に対して地元とともに、国も東京電力もなすべきコトを一日でも早く」とした。
その具体策として「福島再生可能エネルギー研究所」の開所がある。
原子力災害の後始末は、当然の優先課題であるが、同時に「エネルギー産業・技術の拠点」として発展させる、としている。
この様に自治体の意思を最大に尊重する姿勢が国に出来るならば、日本中の意欲のある自治体は、「再生可能エネルギー」の開発拠点をして実現可能になる。
長崎県の五島列島には、日本での『洋上風力発電』の将来性を探る実証機が設置されている。
日本の海岸線で、風況が極めて良い環境で、風力発電の設備利用率は40%が期待されて、陸上風力の2倍にもなる。
この実証機での成果を、九州地区の発電量の大部分を「風力発電により賄う」目標を立てれば、九州の一大産業になるであろう。
北海道地区は、以前から「風力発電の適地」と言われてきたが、2011年3月までは、北海道電力の都合で、新規の風力発電の建設が抑制されてしまった。
送電線網の弱体を理由にして、原発を維持するためには、「風力発電の増加」は、邪魔になるとしたのである。
いまや、コストの高い「原発を維持する路線」よりも、風力発電を主力にして、需要変動を補う「バイオマス発電」を大量に建設すれば、再生可能エネルギー電力で、北海道の電力需要を賄える様にできる。
国は、本州へ送る送電設備の増強を支援することで、北海道経済の振興を図るべきである。
原発の維持路線は、北海道経済には何の貢献もしない負の遺産だ。