2005年劇場公開、アカデミー賞脚本賞にノミネートされ、
ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞 主演女優賞受賞を果たした作品。
ヴェラおばちゃんがしていた、"善いこと”は
"してはいけないこと"でした。
家政婦としての仕事と家事をこなし、近所の人たちにも親切に世話を焼き、
家族団攣の時間を大切にし、
いつも笑顔を絶やさないヴェラは夫にも愛されていた。
しかし、その夫にすら言っていないことがあった。。。。
それは、望まない妊娠をした女性たちの堕胎を"助けて”いたこと。
逮捕され、裁判にかけられるヴェラ。
その時、深い絆で結ばれていた家族の関係は、、、。
ヴェラはーーーー。
ヴェラドレイクを演じた、
イメルダ・スタウントンの素晴らしい演技に尽きます!
本当に素晴らしい
この作品、悪い事と知っててするのは、許されるか?ではなく、
身内の罪,愛する人の罪を、受け入れ、赦すことが出来るだろうか?
と言うことを考えさせられる。
マイク・リー監督は、
役者たちには自分の台本しか渡さず、
あえてリアリティを出す演技で臨ませたという。
前半はささやかながらも幸せなヴェラの日常。
夫婦の愛もじんわりと伝わってくる、、、。
後半、妻の秘密を知った夫は、、、。
この時代のイギリスでは、人工妊娠中絶は法律で禁じられていた。
1861年に制定された"いかなる場合でも中絶は犯罪とされ、
たとえ医療目的でも3年から無期の懲役を科す"という厳しい法律がまだ適用されていたという。
1929年に
"妊娠出産が母体の命を脅かす危険があると医師が診断した場合のみ合法とする"
と改正されるも手術費は高額。
貧しい人々は非合法の堕胎に頼るしかなかった。
ヴェラドレイクは、自分の行いが法律を犯すものであることを承知はしていたが、
そのような社会で"困っている娘さんたち"を助けずにはいられなかった。
ヴェラは娘さんたちが可哀想で"良いと思って"したことだと主張する。
いくら良いと思っていた事でも、
ためらいもなく自らの使命のように、さらりとその"仕事"をこなすヴェラには
ちょっと驚いてしまった。
あんな簡単に、感情もなく出来るものなの??と。
実際にヴェラのような存在がないと、お金のない人たちには大変だったのだろうけど、
子供を授かったのはその人の運命。
どんな理由があるにせよ、人間の力でその命を絶つ、
という事には納得が出来ないワタシ。
そりゃ、下ろすには色々な事情があるだろうけど、、、。
もし自分が、望んでいなかった時に妊娠してしまったなら、、、
そんな状況になったら、そうも言ってられないか、、、。
そういう意味で、他人への手助けをしたという罪の酬いは当然だと思えてしまった。
それを間違いと認めずに、あくまでも「人の為」というのはどうなんだろう、、、、。
それよりも、妻の、母親の、罪を知った家族のその後の接し方、
そちらの方が重要なんだと思う。
やっぱり、身内の愛って特別なものであると信じてたい。。。
6(10段階)
罪を負ってしまった愛する人を、許せるか、、、、。
テーマとしては今公開中の、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」にも
通じるものがあるかもしれない。
この作品が、アカデミー脚本賞を獲り逃して、受賞した作品は
「エターナルサンシャイン」
ちなみにその他のノミネート作品は
「アビエーター」
「ホテルルワンダ」
「Mr.インクレディブル」でした。
2004年 イギリス/フランス/ニュージーランド 125min
【staff】
監督 マイク・リー
製作総指揮 ゲイル・イーガン/ロバート・ジョーンズ/ダンカン・リード /アラン・サルド
脚本 マイク・リー
【cast】イメルダ・スタウントン/フィル・デイヴィス/ピーター・ワイト
/エイドリアン・スカーボロー/ヘザー・クラニー
このヴェラおばちゃん、イメルダスタウントン
4月15日公開「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」にも出演。
児童文学書から映画化(また!)したファンタジーで、エマトンプソン&コリンファース共演。
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