12月いっぱいで退職する看護師さんたちが病院中を回って挨拶していた。2名は勧奨退職で定年まで約5年を残してやめる。勤続35年になるそうだ。辞めるといっても何もしないわけではなく、1名は施設に勤務(フルタイムではないらしい)で、1名は当院の外来の手伝いに週2回くらい来るという。内科の外来部門は外来に出ている医師数の割に看護師数が少なく、取り合いになる。他科の外来部門よりも内科系は忙しいので、看護師数がもっと増えてもいいはずだが、均等に配置している。1名はほぼ定年退職で、もう1名は当地域の基幹病院にできる緩和ケア病棟に移ることになった。今日これから内科外来の看護師さんたちの忘年会+送別会がある。
肺癌の40歳代男性が亡くなった。最期はオピオイド+鎮痛補助薬+NSAIDでコントロールできなくなり、今週初めから鎮静(ドルミカム)を開始しようとした。患者さん本人が嫌がり、奥さんには少し前から鎮静を行う可能性を伝えていたが、やはり嫌がった。結局最期の2日だけ使用した。朝奥さんだけが付き添っている時に心肺停止した。病室で号泣して、患者さんに呼びかける奥さんを見て、他の家族が病院に来るのを待つことにした。娘さんと患者さんの母親が到着した。母親は今姉が来るので、待ってほしいという。姉の到着を待って、母親に確認するとうなずいた。死亡宣告して、しばらく家族で付き添っていてもらって、落ち着いたところで看護師さんに声をかけてもらうことにした。
救急外来を診たり、他の病棟の患者さんを診たりして医局も戻ると、病棟看護師長から、今葬儀社の方が来て帰るところだと電話がきた。霊安室前のドアを開けると少し雪が降っていた。若い癌終末期の患者さんは久しぶりで、病棟の看護師さんたちにとっても特別な患者さんだったようだ。この患者さんのような若い人は、専門の緩和ケア病棟のあるところに紹介したいものだと思った。自宅から遠い大学病院の緩和ケア病棟やがんセンターのホスピスには行きたくない、ぎりぎりまで自宅で過ごしたいという希望があると、市内の患者さんは当院で引き受けるしかないというのが現状だ。
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