なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性心不全・大動脈弁閉鎖不全

2014年12月27日 | Weblog

 昨夜は内科外来の看護師さんの送別会兼忘年会だった。初めての韓国料理店を貸し切り(他のお客さんがいないので、たぶん)で行われた。看護師さんと消化器科医の奥さんが韓国ドラマにはまっているという話で盛り上がっていた。ずっと見ているとある程度韓国語がわかるようになるという。スピードラーニング方式だ。コチュジャンのたっぷり入った鍋は真っ赤になっていた。チジミに餃子も出たが、餃子は韓国?

 会が終わって、半数が二次会のカラオケに出かけて行った。内科当番で当直が応援の大学医師なので、病院に戻ってそのまま泊まることにしていた。威力で当直医と年末年始の過ごし方だどを話していると、救急隊から搬入依頼が入った。

 63歳男性が呼吸困難を訴えている。2-3日前からの症状だという。さっそく来てもらうと、心陰影拡大と両側肺野に肺うっ血(バタフライ陰影)を認めた。酸素10L/分リザイーバー付きで酸素飽和度が90%にならない。意識はあり、息切れしながら会話はできた。息子さんの話では大動脈弁閉鎖不全と言われていたという。確かに聴診器を当てるか当てないうちに大きな収縮期雑音が聴こえた。心電図では広範なST低下を認めた。2年前に消化器科で大腸ポリープのポリペクトミーが行われていて、その時の心電図とほとんど同じだった。その時に心機能評価はされていなかった(胸部X線では心不全と言い難い)。

 これは当院では無理だろうと判断された。内科的に頑張るだけでは難しいかもしれない。いつも急性心筋梗塞の患者さんをお願いしている心臓センターのある専門病院に電話すると、ドクターカーで迎えに来てもらえることになった。当直医がラシックス20mgを静注すると、ある程度利尿が付いて、酸素飽和度が94%になった。道路が凍っていて、到着まで普段より時間がかかり、50分かかった。気管挿管するかどうか迷ったが、ぎりぎりのところだが、しない状態で搬送となった。その後、深夜帯での受診はなかった。朝に当直医と、今日の日直の若い内科の先生と、画像を見直して話をした。心臓外科もある病院に搬送したので一番いい選択だという結論になった。

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