なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ほんとにいるんだ

2012年03月01日 | Weblog
 30歳台前半男性。拒食症。
 開業医からの紹介で極端にやせた男性が受診した。中学生のころから家庭内暴力が始まり、母親に殴る蹴るの暴行を加え、家庭にある家具などを壊して暴れていた。仕事はしないで、自宅にずっといたが、自分で酒を買い物に行っていたという。
 2年前から太っていることを気にし出して(体重70kg台)、下剤を大量に飲み、自分で嘔吐するようになった。体重が減少して30kgになっていた。母親からこのままでは死んでしまうかもしれないと言われたが、どこまで本気で考えたかはわからない。食べてはまた自分で嘔吐していた。
 点滴をしてみたが、点滴のチューブを手に巻きつけたり、看護師の手をつかんで離そうとしなかったり、私が話をすると拳を突き出したりと、対応に苦慮した。経管栄養や高カロリー輸液が必要かもしれないが、受け入れるかどうかはわからない。治療には相当なマンパワーを必要とするし、扱える施設は限定されるだろう。
 とても当院のような一般病院では手におえないので、精神科病院に問い合わせて、拒食症を扱っている専門病院へ紹介してもらうことにした。
 話には聞いていたが、拒食症ってほんとにいるんだと思った。
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