なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

出血性脳梗塞に抗凝固剤を処方するか

2012年08月05日 | Weblog

 90歳女性。心房細動・心不全で内科クリニックに通院していた。右半身不全麻痺に気づいた家族が休日の救急外来に連れて来た。頭部CTで、左側頭葉に出血性脳梗塞を認めた。心房細動からの脳塞栓症と思われた。前後して70歳台男性の脳梗塞の患者さんも受診していた。その日は私が内科系日直で神経内科医(当院は1名のみ)が当直だった。男性の方をお願いして、90歳女性は治療の指示だけもらって私が主治医となった(そっちは勘弁してよと言われた)。急性期の治療はエダラボンの点滴静注を行った。高齢で腰曲がりがひどく(90度以上)、介助で車椅子移動ができれば十分と判断した。嚥下障害で食事がとれないと困ると思っていたが、なんとか食事摂取できた。

 内科クリニックでは抗血小板剤のバイアスピリンが処方されていた。しかし心房細動があれば、使用するなら抗凝固剤(ワルファリン)を投与することになっていて、抗凝固療法をしないなら抗血小板剤(バイアスピリン)も使わない。循環器科医と相談して、年齢と出血性脳梗塞だったことを考えると抗凝固療法は行わない方が良いということになった。ちなみに、心エコー(経胸壁だが)では心腔内に血栓はなく、EFは案外良かった。家族が在宅介護は困難というので、施設入所を申し込むことになった。

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