なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

何だかあやしいけど

2012年03月12日 | Weblog
 70歳台前半の男性。早朝に下肢の脱力を訴えて救急搬入された。当直の循環器科医が頭部MRIを検査した。陳旧性脳梗塞があるだけで、それも麻痺をきたす部位ではない。採血で血糖が470と高く、HbA1cが14%だった。当初は神経内科でみてもらうつもりだったそうだが、脱力は高血糖のためだろうとのことで内科に診療依頼がきた。
 内科クリニックから糖尿病の処方が出ていたが、インスリン注射が必要と言われていたらしい。この方はアルコール性慢性膵炎で、20年以上前に大学病院で手術(膵管空腸吻合術)を受けていた。ということは膵性糖尿病になる。
 当直医といっしょに胸部X線をみたら、左肺に腫瘤様の陰影があった。肺癌かと思われたが、一昨年、昨年と腸閉塞で3回当院外科に入院していて、昨年撮った8か月前の胸部X線には何もない。いくらなんでも急に癌はここまで大きくならないと思われた。胸部CTをみると、浸潤影が球形になっていた。肺炎というより肺膿瘍になる途中なのかもしれない。炎症反応は高値だったが、なぜか、発熱はない。脱水状態ではあるのだろうが、ショックではない。
 家族の話では認知症らしく、会話してみると理解力が低下している。入院治療にするしかないが、入院生活がうまくできるかは、かなりあやしい。家族にその旨を伝えて、インスリン自己注射も家族がするようになることを了解してもらった。
 
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