なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心原性酵素上昇

2022年08月20日 | Weblog

 木曜日に神経内科外来を診ていた先生(大学病院からバイト)から連絡が来た。ちょうど発熱外来を受診した患者さんがCOVID-19 と判明して、多系統萎縮症で通院していて肺炎もあるため入院にするところだった。

 ちょっと待ってもらってから外来行くと、患者さんは心エコー検査に行っていた。66歳男性で知的障害があり、常勤の神経内科医の外来にてんかんで通院している。

 若い大学の神経内科医が経緯を説明してくれた。患者さんは数日前から言動がおかしくなったという。意識障害というのではないようだ。息切れの訴えや浮腫はなく、神経疾患としての悪化を考慮したようだ。頭部MRIを撮影していて、特に変化はなかった。脳波検査も予定していた。

 一般的な検査として入れた方で異常があった。胸部X線でそれまでなかった心拡大を認めた。心電図はV1-4でpoor r wave progressionのように見える。明らかなST-T変化は指摘できない。

 血液検査でCK・AST・LDHが上昇していた。すでにCK-MBとトロポニンが追加されていて、その後トロポニンが65000と著明に上昇していると判明した。

 生理検査室に心エコーを見に行くと、ちょうど終わったところで、技師さん(当方の中学同級生の女性)がEFは40~50%でそう悪くないという。左室は全体的に動きが悪いように見えるが、部分的にどこの壁がというわけではない。心嚢液貯留があった。

 発熱はなかった。心筋梗塞が発症したのか、心膜心筋炎なのかわからない。神経内科の先生が地域の基幹病院循環器内科に連絡するというので、受け入れが難しい時はまた相談しましょうと伝えた。

 その後、入院したCOVID-19の患者さんの入院指示を出していた。その神経内科医から、先方の受け入れOKで送りますと報告があった。神経内科の常勤医にもきちんと報告したそうだ。真面目で誠実な先生だのだった。

 

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