なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

造影CTまでしてしまった

2020年10月26日 | Weblog

 土曜日の日直の時に、内科医院から92歳女性が紹介されてきた。今月は症状は数日前からの息切れと食欲不振だった。

 ずいぶん若い時に肺結核で右上葉切除術を受けていた。それ以外には心疾患・肺疾患はなく、高血圧症・脂質異常症で通院していた。施設に入所していて、施設職員が連れてきた。

 酸素飽和度は97%(室内気)で安静時には低酸素血症はない。体温36.7℃で悪寒もなかったが、年齢を考慮すると平熱よりは高くこの患者さんにとっては微熱相当だったのだろう。

 胸部X線、心電図は(肺切除以外)異常なかった。貧血もない。両下腿に浮腫を認めたが、左右均等で、圧痛はない。深部静脈血栓症とはいえない。

 血液検査で白血球13000・CRP29.9と炎症反応上昇があったのが意外だった。Dダイマー3.4でちょっと上昇していた。尿混濁があり、そのまま解釈すれば尿路感染症(急性腎盂腎炎)になる。

 今月初めに同医院からやはり息切れで内科外来に紹介されてきた。胸部X線・心電図・血液検査でこれといった異常がなく、経過観察としてした。

 心肺疾患としては肺血栓塞栓症(慢性?)しか残らない。やりすぎかもしれないが造影CTを行った。結果として、肺血栓塞栓症はなかった(末梢動脈の慢性肺血栓塞栓症は完全には否定できないが、それにしても酸素飽和度が良すぎる。

 息切れの原因は保留として、尿路感染症はあると判断するしかなかった。年齢を考慮すれば、入院で抗菌薬投与になる。

 患者さんは元気で(認知症はなく、しっかりしている)、入院する気はまったくなかった。責任者である姪に来てもらった(患者さんは独身ずっとだった)。姪と施設職員の説得でしぶしぶ入院を承諾した。

 入院した夜に38.8℃の発熱があり、感染症らしさが出てきた。セフトリアキソンで今日は解熱しているが、食欲はまだ出ないようだ。

 

 

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