8月19日(月)に80歳代前半の男性が内科外来を受診した(予約日)。高血圧症・うっ血性心不全・気管支喘息で通院していて、息切れや下腿浮腫の確認になる。
その日は別の話をされた。8月17日(土)入浴中に陰嚢が腫れているのに気付いた。37.8℃の発熱もあった。18日(日)は36.9℃で、19日は36.6℃だった。
ご本人は鼠径ヘルニアではないかという。触診すると、左精巣自体が腫れているようだった。腸管が脱出しているようではない。自発痛はほとんどなく、触診しても圧痛はわずかだった。
エコーで診る自信がないのと、ヘルニア否定もあり、腹部CTで確認した。ヘルニアはなかった。精巣炎より精巣上体炎がよく精索捻転との鑑別で記載されているが、そうなのか。要はよくわからない。精索捻転のような緊急性はないのだろう。
抗菌薬はどうしようかと思ったが、セフトリアキソンを入れて、翌日20日の泌尿器科外来に紹介とした。尿路感染症が波及して精巣上体炎を来したものと診断された。セフトリアキソン点滴静注とオーメンチン内服が処方されていた。
泌尿器科医に、抗菌薬投与前に尿培養を提出するように、といわれた。ふだん見ない場所の炎症なので、培養が思い浮かばなかった。
プラチナマニュアルによれば、「急性精巣上体炎は35歳未満では性感染症(淋菌、クラミジア)を強く疑う。処方はセフトリアキソン1g静注単回+ドキシサイクリン内服200mg分2を10日間」。
「高齢者の精巣上体炎は通常の尿路感染症同様に大腸菌を代表とした腸内細菌が主である」。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます