なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

B型C型ダブル肝炎~肝硬変・肝細胞癌

2016年10月07日 | Weblog

 消化器科に74歳男性が入院した。ウイルス性肝炎から肝硬変となり、肝細胞癌が発症している。できる治療は受けて、緩和ケアとなっていた。この方は2つの意味で、内科外来で有名な患者さんだった。

 まずB型肝炎とC型肝炎のダブル肝炎だということ。もうひとつはキャラクターの問題で、処方だけ出してもらえばよくて、血液検査も画像検査もいっさい拒否しているということだった。

 予約をとろうとはしないので、受診した日に外来にでている医師が担当することになる。複数の医師がかかわることになるが、患者さんは決してブレることなく検査拒否だった。初めて診る医師は検査を熱心に勧めるが、何度説明しても結局同じだった。抗ウイルス療法・核酸アナログなど治療が進歩しているが、適応できないでいた。

 しばらく受診が途絶えていたが、3か月前に大学病院の消化器内科から紹介されてきた。経緯は不明だが、大学病院で肝硬変・肝細胞癌の治療(TAE・放射線治療)を受けていた。採血だけでも拒否する人が、よく治療を受けたものだと思う。そのうちに治療が限界に達して、緩和ケアのみとなったところでの紹介だった。食欲不振・倦怠感で一時入院したが、ステロイド投与で軽快して、いったん外来治療に戻っていた。

 今日の入院が最後の入院になりそうだ。当院紹介時から病状悪化時はDNRの方針となっていた。案外気が小さくて死の恐怖に耐えられず、鎮静が必要になるかもしれない。

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