火曜日に地域の基幹病院救急科から、低体温症の81歳女性の転院依頼がきた。入院が満床状態なので、その日のうちに引き取ってほしいという。内科の若い先生は入院患者数が少なかったので、担当をお願いした。
月曜日の午前8時ごろに同居の息子さんが、自室にいないのに気付いて探したところ、暖房のない離れ(自宅の構造がわからないが)で倒れているのを発見した。通院はしていないが、認知症が進んでいたらしい。
救急隊到着時、腋窩温28.6℃(30℃未満で測定できる?)で血圧は測定不能だった。開眼はしていたが、発語はなかった。住所からは当院の方が近いが、血圧測定不可の重症なので、救急隊は直接基幹病院の方に搬入依頼したようだ。
病院到着時、深部体温27.4℃で血圧は測定不能だった。心電図では心拍数61/分で心房細動を呈していた。体外式保温を開始して、2時間後には36.0℃まで戻っている。認知症で見当識障害があるが、名前を言えるようになっていた。
頭部CT、胸腹部CTで脳血管障害や肺炎はなかった。腎機能障害・CK上昇(筋挫滅)などの問題はあるが、後は点滴を継続して食事摂取できるか経過をみるだけになる。
介護保険は受けていないので、そこからスタートになる。生活保護受給者なので、入所できる施設は限られる。福祉サービスを入れて、在宅介護になるが、手続きとリハビリを行うと2か月はかかりそうだ。急性期を診てもらえれば、その後の対応は当院でできるので、いい連携だと思う。
当院に来てからの心電図は洞調律だった。心房細動は低体温による症状(30℃<で心房細動)ということになる。搬入時の心電図は送られてきてないが、低体温のOsborn J波は認めたのだろうか。
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