水曜日に外来を受診した79歳男性に、おかげさまで良くなりました、といわれた。糖尿病で通院していて、HbA1cは6%台後半で経過している。
その後に左下肢を触りながら、痛みがなくなったと言われたので、そこで思い出した。3月に、労作時に左下肢の痛みが生じて、そこで歩行が止まってしまうと訴えた。つまり間欠性跛行があった。
腰椎脊柱管狭窄症かと思われて、腰椎MRIを検査したが、有意な異常はなかった。
その後に、下肢の閉塞性動脈硬化症疑いとしてCTで下肢の造影検査をすると、両側下肢動脈に石灰化が目立ち、左総腸骨動脈の高度狭窄を認めた。
腰椎脊柱管狭窄症だと歩行を止めただけでは症状は改善せず、前傾姿勢になる必要がある。下肢の閉塞性動脈硬化症では歩行を止めただけで症状が改善するので、症状で鑑別は付くのだった。
地域の基幹病院では、血管外科の外来(大学病院から週1回)があったが、1年くらい前から血管外科医が赴任していた。外来に紹介すると、経過をみて手術を考慮するという返事が来ていた。その後、当院受診時には下肢の症状を訴えなかったので、ほとんど忘れていたのだった。
手術はステント留置と内膜血栓摘除術を行ったと記載されていた。外来で抗血小板薬(プラビックス75mg)を開始していて、当院で継続処方してほしいとあった。
今どきは、下肢閉塞性動脈疾患(lower extremity artery disease:LEADリード)というそうだ。
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