なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

抗インフルエンザ薬の予防投与

2017年12月16日 | Weblog

 木曜日にリハビリのスタッフが高熱で近医を受診して、インフルエンザと診断された。前日の水曜日にリハビリを行った患者たちさんは2日経過をみて発熱はなかった。さらに慎重に経過観察となった。

 金曜日に別のリハビリスタッフが高熱で近医を受診して、インフルエンザ迅速検査は陰性だったそうが可能性はある。前日の木曜日はたまたま休みだった。前日の水曜日にリハビリをした患者さんたちは、2日経過した金曜日の段階で発熱・咳はない。こちらも慎重に経過観察となった。

 水曜日に2か所の病院が当院に来て、感染管理の相互評価(今回は当院を評価)を行った。それぞれの病院の感染管理認定看護師さんは男性で、かなり積極的な活動を行っている(他院での講演も)。冬季のインフルエンザとノロウイルス対策について協議したいという要望があり、それぞれの病院での対策を述べ合った。

 患者さん(大部屋での同室者)への抗インフルエンザ薬の予防投与は3病院とも行っていた。原則職員への予防投与は原則として行っていないが、状況に応じて予防投与も行うという点でも一致していた。昨年度、当院では職員への投与も行った。

 問題点として、病院のドクターどうしがお互いに抗インフルエンザ薬を出し合ったりするそうだ。そうすると、目的は予防投与でも保険病名としてインフルエンザになるので、インフルエンザに罹患した職員が出勤して仕事をしていることになってしまう。感染管理室に無断で行うので困るという。

 あとタミフルを予防投与で出したとして、本当に10日間ちゃんと内服しているのかという問題もある。数日内服して症状がないとやめてしまうだろう。イナビル吸入の方がいいという意見もあった。

 職員への予防投与は数10万円かかるが、必要な時はきちんと対策を講じた方がいい。昨年は時期の問題だったかもしれないが、予防投与を開始してから終息した。「インフルエンザ院内感染」は社会的インパクトも大きい。

 病院の厨房職員はどこも委託業者が入っていて、10月から3月まで月2回ノロウイルス検査(PCR)を行っているそうだ。問題は病院職員である管理栄養士で、調理にはまったくかかわっていないが、試食はする。ひとつの病院は管理栄養士のノロウイルスの検査を実施していたが、2つの病院は実施していなかった。これは行っていなかった病院も今年から実施することになった。大量調理マニュアルが11月から改訂されて、3月の実施から厳しくなるという。

 感染管理加算をとるためでもあるが、他院との感染管理相互評価はいいシステムだと思う。

 

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