昨日記載の88歳男性は、前立腺癌で泌尿器科外来(当院は非常勤医)に通院していた。月1回は尿道カテーテルの交換があり、昨年度は2回急性腎盂腎炎で入院している(それぞれ内科の別の医師が担当)。
前立腺癌の発症は2011年で、自己中断で何度か来院しなくなり、尿閉になって再受診ということを繰り返していた。2011年の最初の診断時も、ホルモン療法(CAB)を4か月で中断している。
2年後の2013年に尿閉で泌尿器科クリニックを受診して、がんセンターへ紹介された。ホルモン療法開始で軽快して、当院泌尿器科へ紹介された。3年後にまた中断した。(がんセンターの画像)
1年後に尿閉で受診して、ホルモン療法が開始された。休止後に再度治療を要することなったが、同意しないうちにまた中断した。
4か月後に尿閉で受診した。ホルモン療法が再開されたが、3年後にまた中断した。
それから、2年後の昨年は急性腎盂腎炎で内科に入院した。血清PSAが178と初めて3桁になっていた。骨転移と肝転移もあった。
泌尿器科に紹介されて、ホルモン療法が再開されて、現在までは通院を継続している。尿道カテーテル留置を要するので、通院しないわけにはいかないが。
よく中断する患者さんだが、前立腺癌はホルモン療法がよく効くものだ。最初の診断は他院なのでstageがわからないが、きちんと治療を継続していれば、結果は違っていたのかもしれない。
昨年は急性腎盂腎炎(複雑性尿路感染症)で2回入院している。最初の入院の時は、血液培養から大腸菌が検出された。2回目の時は血液培養は陰性だが、尿培養からは大腸菌と緑膿菌が検出されている。
最終的には、複雑性尿路感染症で寿命が決まるのかもしれない。
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