なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

関節リウマチの胸水

2024年04月13日 | リウマチ膠原病

 関節リウマチで内科外来(大学病院から応援の専門医担当)に通院している91歳女性が3月半ばに入院していた。倦怠感・息切れがあった。

 胸部X線・CTで両側胸水が貯留して、心嚢液も軽度にある。炎症反応は入院時に軽度上昇していたが、その後は陰性だった。利尿薬投与(ループ利尿薬+MRA)でも胸水貯留が改善せず(漸増)、担当の先生が困っていた。

 関節リウマチの処方は、タクロリムス(プログラフ)1.5mg/日・ブシラミン(リマチル)200mg/日・プレドニゾロン5mg/日だった。リウマチの症状は抑えられている。

 不整脈や有意な心臓弁膜症もなく、EFは68%だった。心エコーで見ると、心臓はむしろhyperkineticだった。心不全としてはBNPが20~40pg/mLとさほど高くはない。

 低蛋白血症(5.1g/dL→4.2g/dL)・低アルブミン血症(3.1g/dL→2.4g/dL)が影響している可能性がある。低流量の酸素吸入をしているが、食事摂取は良好だった。

 

 この患者さんは整形外科外来(リウマチ専門医)で関節リウマチの治療を受けていたが、その外来がなくなり、2023年9月から現在の内科のリウマチ膠原病外来に通院している。抗リウマチ薬を変更するにあたって、胸腹部CTを撮影していたが、その時から軽度の胸水・心嚢液貯留はあった。

 担当の先生は原疾患自体の併発症や処方薬の影響について専門医に相談したが、そんなはずはない、といわれた。言い方がきつかったので?、担当の先生としては面白くないようだ。

 とりあえずは、心不全としての治療を強化するしかないか。リウマチ自体あるいは併発症としての胸膜炎・心膜炎の可能性が残るが、よくわからない。

 

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