なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

消化管出血でした

2015年09月24日 | Weblog

 昨日の日直の時に失神で70歳代前半の女性が救急搬入された。1週間前に消化器科で早期胃癌の内視鏡的粘膜切除(ESD)を受けて、前々日に退院していた。搬入時には意識清明だった。一過性脳虚血発作で脳卒中の専門病院から抗血小板薬の処方を受けているが、失神はTIAの症状ではない。内視鏡治療後は黒色便があったが、その後は普通便で当日の便も普通だった。入院時のHbが12で、搬入時のHbは11だった。処置後には多少下がるのだろうと思い、BUNの上昇もないことから消化管出血は否定的と判断した。

 心電図で徐脈性不整脈はなく、頭部CTでくも膜下出血などの異常はなかった。外来で点滴をして経過をみていたが、夕方特に症状もなく、普通にトイレまで歩行できた。1日病院で様子をみますかと尋ねると、帰宅したいという。経過をみるのに翌日また来てもらうことにした。

 深夜12時前に、当直の外科医から電話が来た。帰宅したその患者さんが自宅で吐血してまた救急搬入されていた。血圧80mmHgでHbは8まで下がっていた。ESD後の出血だった。通常の胃潰瘍の出血ではないので、ESDの処置をした消化器科医師に連絡してもらうことにした。日中の救急搬入時も、消化管出血による症状だった。やってしまったなあと思って、がっかりした。

 今朝その消化器科医に会ったので、昨夜のことを訊いた。その先生は病院に行く都合がつかずに、消化器病センターのある病院へ転送してもらったそうだ(申し訳ありません)。ESDで1週間後の出血が話題になっているという。今は抗血小板薬を中止しないで処置をするそうで、処置をする先生も大変だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 原因のわからない発熱 | トップ | 間質性肺炎? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事