昨日隣町の病院から86歳男性が41℃の高熱と腰痛で紹介された。内科新患担当の若い先生(内科専攻医)が診察した。
前日には腰痛で整形外科医院を受診していた。その日は高熱で、ふだん通院(高血圧症・高脂血症・発作性心房細動)している町立病院を受診したという経緯だった。急性の経過になる。
胸部X線・CTで肺炎像はなく、尿路感染症も否定的だった。白血球13500・CRP13.5mg/dlと炎症反応上昇がある。不明熱として尿培養・血液培養2セットは提出していた。どうしましょうか、と相談された。
発熱・腰痛とくれば、化膿性脊椎炎だが、痛いのは背部正中ではなく右側だという。外来に行って診察することにした。診察室に入ってきた患者さんは86歳とは思えないくらい動きが素早かった。完全にADL自立で農作業をしているそうだ。
右骨盤の直上に圧痛・叩打痛があった。脊椎炎(椎体炎・椎間板炎)ではないようだ。この前にもあった、あれのようだ。
椎間関節炎疑いとして腰椎MRIを行うことにした。午後になって、画像を見ると、確かに椎間関節に炎症像があり、周囲軟部組織に広がっている。
患者さんは元気なので、NSAID(セレコックス)で経過をみることにした。1週間後に予約を入れて、2~3日内服して軽快しない時は週末に受診してもらう。
放射線科の読影レポートにも椎間関節炎とあった。以前同様の患者さんの時は軟部組織の炎症のみ指摘された。直接読影室に行って、「椎間関節の偽痛風を疑っていますがどうでしょうか」、といっしょに画像をみたので、椎間関節炎として診てくれるようになったようだ。
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