なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

フィダキソマイシン

2020年05月06日 | Weblog

 消化器科でCD腸炎の74歳女性を治療していた。苦戦しているようだ。

 この患者さんは3月初めと中頃に当院眼科に2回短期間入院して、両側の白内障の手術を受けていた。眼科の白内障手術はクリニカルパスで行われる。抗菌薬内服(セフカペンピボキシル塩酸塩水和物)を3日間内服することになっていた。

 2回目の入院中から下痢が続いていた。糖尿病で市内の内科医院に通院しているので、下痢はそちらの医院を受診していた。最初は整腸剤(ミヤBM)が処方されて、症状が続いたので、その後に抗菌薬(グレースビット)が処方された(感染性腸炎として)。症状が続いて、3月25日に当院の消化器科外来を受診していた。

 Clostridioides difficile(CD)の抗原・トキシンが陽性で、CD感染症(CDI)と判明した。食欲低下もあり、受診日に入院となった。メトロニダゾール(フラジール)内服が開始されたが、症状が続くということで3日目からはバンコマイシン内服も併用となった。

 もとから発熱はなかった。入院時の検査で(白血球6800・)CRP13.4と、炎症反応の上昇を認めた。腹痛・下痢は軽快して、数日後の食事摂取は良好となっている。

 症状軽快して、4月4日に退院した。退院前の検査は、血液検査ではCRP4.0、便検査はCD抗原陽性・トキシン陰性だった。(メトロニダゾールは1日間、バンコマイシンは8日間投与。通常、軽快した場合はCD検査を提出しないことになっている。軽快時のCD抗原陽性・トキシン陰性の意味は判断できない。)

 4月13日にまた下痢で外来受診している。白血球8700・CRP15.2と炎症反応も上昇していたが、CD抗原陽性・トキシン陰性だった。臨床的にCD再燃と判断して、メトロニダゾール・バンコマイシンが再開された。

 5月1日にも症状が続いていた。血液検査では白血球11000・CRP0.4で、CD抗原陽性・トキシン陽性と出た。そこで処方を変更して、フィダキソマイシン(ダフクリア200㎎錠を1日2回)が開始された。これで治ってほしいが。

 フィダキソマイシンを使用するのは当院では初めてだと思う。

 

  

 

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