なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

副腎癌、胸腺癌

2017年03月05日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。救急搬入は一台だけと少なかった。1週間前に退院した胸腺癌の72歳男性だった。呼吸苦での救急要請で、酸素飽和度が低下していた。胸腺癌は胸骨に浸潤していて、外科で施行した生検で扁平上皮癌だった。もともと喫煙者で明らかな肺気腫があった。手術適応なしで緩和ケアになっていた。予後半年もてばと言われていたらしい。

 胸部CTで両側肺に浸潤影を複数箇所に認めた。肺炎の治療をして経過をみろことにしたが、退院したから食事摂取はほとんどできていない。今回入院すると、退院はもうできないだろう。

 一昨日外来を受診した82歳女性は、副腎腫瘍だった。9年前に副腎腫瘍で大学病院に紹介して、まったく覚えていなかったが、自分が紹介したのだった。副腎ホルモンは正常域で、non-functioningと判断していた。大学病院で手術を勧められたが、拒否して経過観察となっていた。当院泌尿器科外来で数年経過観察されたが、それも途中で中断していた。9年前の腫瘍。

 今回は明らかに増大していて、まだらに造影されている。これは副腎癌だろう。内分泌内科で精査して、泌尿器科で手術という流れになるそうで、再度大学病院への紹介となった。今回の腫瘍。腎動脈はここまで伸びるのかと変な感心をしてしまった。

 内科クリニックに不定愁訴とされるさまざまな症状で3年間通院していた。なんでも点滴をすると良くなる?という。昨日の土曜日も点滴希望で受診していて、今日また点滴希望で受診した。明日は大学病院の予約があり、ちゃんと行って下さいと言ったが、さて?。

 糖尿病腎症で血液透析を受けている74歳女性は、施設に入所している。今日は朝から食欲がなくて、酸素飽和度が下がっていると、施設職員が連れてきた。一昨日から透析担当医の指示で在宅酸素導入になっていた。左下肢(膝下)は糖尿病性壊疽で切断術を受けている。透析はカルテが別になっていて内容が良くわからない。

 問診と画像から、この方は以前喫煙していて、COPD(主に慢性気管支炎タイプ)があるようだ。心エコーは施行されていないが、肺性心になっているのだろうか。酸素飽和度が低い時に酸素吸入をするように指示されているという。

 インスリンは、ノボラピッド30ミックス朝夕とノボラピッド昼の3回打ちで、食事摂取に応じたミニスライディングスケールになっている。これだと、シックデイの指示が出しにくい。持効型と超速効型3回にした方がいいと思う。水分は少しとれた。点滴するにも血管が見えない方なので、外来でゼリーなどを摂取できるかどうか様子をみることにした。

コメント
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