なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多発性肺膿瘍

2017年03月04日 | Weblog

 昨日内科クリニックから43歳女性が肺炎で紹介された。5日前から上背部痛があり、症状が続くので昨日整形外科クリニックを受診した。胸部X線で肺炎像を認めたので、内科クリニックに紹介となった。ふつうは当院に紹介になるが、胸部X線で陰影が軽度に見えたので、クリニックの外来内服治療でいけると思ったのだろうか。 

 発症様式が疼痛で始まっていることから、肺血栓塞栓症など肺炎以外の疾患も考えられるとして、そのまま当院に紹介された。外来に出ていた内科の先生が胸腹部造影CT検査を行った。病棟で画像を見ていたが、いつになく放射線科の読影レポートが出ていて、肺血栓塞栓症はなく(末梢は否定できないが)、多発性肺膿瘍とあった。確かに、両側肺に数か所結節性の陰影があり、内部が低濃度で膿瘍を疑う。腹部に感染巣や悪性腫瘍らしいものはない。

 どこかに感染巣があるはずだが、深部静脈血栓症とか感染性心内膜炎くらいしか浮かばなかった。担当の先生がまだ外来にいたので、行って訊いてみた。深部静脈血栓症を示唆する所見はないという。血液培養と心エコーを勧めた。抗菌薬で経過をみて、来週呼吸器科(外部から)に相談してみる。これは何だろうか。

コメント (1)
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